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内容説明
1764年フランス中南部の辺境地ジェヴォーダン。一匹の謎の獣によって、100人を超える人々が次々と惨殺される事件がおこる。時が経ち、女と子どもばかりを狙った事件の噂はルイ15世の耳にまで届き、国王は獣の正体を突き止めるため、若く知性溢れる博物学者グレゴワール・ド・フロンサックに調査を命じる。フロンサックは兄弟の契りを結ぶモホーク族出身のマニとともに、ジェヴォーダンへと向かうが…。果たして獣の正体とは?彼らを待ち受ける驚愕の真実とは?“フランス史上最大の謎”が今、解き明かされる。
著者等紹介
佐野晶[サノアキラ]
日本大学文理学部卒業。翻訳家、ライター
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
117
フランス革命など、暴力によって行われた蛮行、血祭騒ぎ。こういうとき、欲望に駆られて剥き出しになる人間の獣性をこの獣で表象したかのような作品。人間の暴力性の暗喩でもあるのか。退廃した中世の不道徳と罪。王の独裁からの解放を謡いながら目指したのはやはり支配。作者の意図通り人間は愚かだなぁと思い知らされる。映画を見た時は全部創作だと思っていたが、この獣は有名な言い伝え付きで、ストーリーは完全に創作だが獣の存在自体は本当かも知れないという。正体が謎に包まれた獣らしい。主人公に好感。面白かった。2024/10/04
rbyawa
6
オイカワさんに賛同、思ったよりキャラクタが良かったというか、なんでこの題材でこんなエンターテイメントな設定なのかと苦笑い(最後の娼婦なんなんだww)。設定も綺麗にまとまりすぎていたが、まあ、許容範囲。「動機」はいまいちだった、少なくともこの書き込み量だと説得力を感じないんだよなぁ。つか、もとの伝説のほうが面白いですよね、これ。伝説というか、きっちり記録に残った実話ですが。2010/01/24
なちょす
5
謎の獣をめぐって、秘密結社、近親相姦、娼館・・ヨーロッパ史の暗く退廃したイメージがチラホラするものの、全体的にどこかコミカル。唯一の異人種マニに惚れた。映画も見てみたい。2012/12/29
A10
4
はっきり言いますとー…、物足りなかった!!それなりに綺麗にまとまってはいたけれど、これだけで終わらせるのはもったいないよ!謎の高級娼婦、惨殺死体、禁忌、狼、シャーマニズム、と伝説。何より、史実!こんなに魅力的な(私にとってだけ?)キーワードがそろっているのにさ。この作品は、この作品として、「ジェヴォーダンの獣」の解釈については、もうこれ以上描きようがない、というぐらいの傑作大長編を待ってます。誰か、書いてくれ。…映画を見ると、また違うのだろうか?2009/11/05
ミの字
2
もとの映画も、思いっきりB級なんだけど、なんだか好きでつい見てしまう。