内容説明
はるか昔、まだ氷河が時折地球上を覆っていた時代、新しい人類が誕生した。彼らの化石骨は、1856年8月、ドイツのデュッセルドルフ・ネアンデルの渓谷ではじめて発見されたため、こう名づけられた―ネアンデルタール。彼らは、約3万年前までの間、ユーラシア大陸の西部で繁栄をつづけ、そして西端のイベリア半島周辺で絶滅したと考えられていたのだが…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ポルトン
46
もしネアンデルタール人が現代まで生き残っていたら… というフィクション作品でした!ファンタジー色が濃くてイマイチ馴染めなかった… 下手に現代科学と絡めずに奇想天外なストーリーにした方が楽しめたかも…2018/07/01
Musa(ムサ)
8
絶滅したとされる人類ネアンデルタール人、そのネアンデルタール人の生き残りをめぐる物語で内容はSF色が強めです。現人類とは全く違った感覚を発達させたネアンデルタール人とのコミュニケーションは、異星人に対するそれに近く面白いです。ただテーマは面白いのに無理やりエンターテイメント性を入れようとした感じがあって、逆にもったいなかったです。2022/03/12
蛇の婿
7
なかなか映画的な味わいのある本です。ネアンデルタール人の生態や古代人類とネアンデルタール人との確執、歴史的なミステリなどを期待するよりは、ハリウッド娯楽映画的なノリであんまり深く考えず、えいやっと楽しんでしまったほうが、この本の読み方としては正解でしょう。…巻末の訳者あとがきでは、この本は映画化される予定です、と書いてありますが、残念ながら映画化は見送られてしまったようです…きちんと作ってさえくれれば、ちょっと観てみたかったような気もしますw2011/11/17
へたれのけい
5
最初は面白い。が、発見してからの展開は100年前のSFの展開だ。今更感、強いです。2020/04/17
May
4
生きたネアンデルタール人に、現生人類はどう接するべきか。命脈を保ってきたという点で同じシーラカンスに対する態度と同じでいいだろうか。傍系とはいえ人類の仲間である彼らはシーラカンスとは別であると考えるべきか。彼らが絶滅を免れていたなんてことは現実にはないだろうが、地球外生命体だったら?地球外生命体が我々よりも高度な文明であるとは限らない(かく言うには、我々と同じ価値尺度を適用でき文明度を判定できるという前提が必要だが。)。なんてことを考えた。話の終わらせ方は乱暴かつ粗雑だとは感じたが、まぁ楽しめた。2019/11/26