感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶうたん
3
生前最後の作品集。奇想と言えばそうなのだが、エロスがベースのものが多く作品は玉石混淆と言わざるを得ない。過去作品では「窓鴉」や「Uターン病」など好きな作品もあったのだが、本書についてはセンチメンタリズムの強いものは少なかったものの、それとは逆に「鉄輪の舞」や「金縛記」は救いのない暗い作品で異色の輝きを放つ良作で印象に残った。いずれにしても、エンターテイメントとしてはかなり特殊で、デビューこそ華々しかったが、バリエーションも少なくカタルシスもテーマ性も無いので今読むと少々辛いものがあるのは否めない。2023/10/01
CJ
1
不快なのに妙に癖になる読後感と、ところどころに顔を出す突き抜けた奇想は相変わらず。「スカイ・ラヴ計画」の馬鹿さ、「ベッド・ワイフ」の意外な情緒と結末、「餅肌娘」の変なオチがわりと好みだった。表題作や「鉄輪の舞」のジワリと来る感触は、イヤミス的な作品が好きな人にもお勧め。2018/08/04