内容説明
混迷する社会の中で、キリスト者としてどう生きていったらいいか。教会はどこに向かっていけばよいか。カトリック神父の著者が黙示録から、その道筋を探り、未来への方向性を示す。
目次
第1章 わたしたちに迫りくる崩壊のきざし
第2章 社会の崩壊のきざし
第3章 今、わたしたちが心がけることは何か
第4章 福音宣教のチャレンジ
第5章 最後の戦い
第6章 わたしたちの具体的指針として捉えていくために
著者等紹介
英隆一朗[ハナフサリュウイチロウ]
カトリック・イエズス会司祭。1960年神戸生まれ。1993年司祭叙階。現在、聖イグナチオ教会(カトリック東京大司教区・麹町教会)主任司祭。専門は霊性神学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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trazom
54
日本女子修道会の研修会での講演録だと知って納得するが、カトリック教会の組織維持のための提言が中心の内容。外に出て福音宣教をしようと訴える。日本でキリスト教が流行ったのは、戦国時代、明治維新、終戦直後の三回。政治的に不安定になると救いを求めると言うが、布教とはそういうものなんだろうか。キリシタン時代、個人で孤立した信徒は棄教したが、教会で結ばれていた人たちは殉教したとあるが、棄教より殉教の方が尊いとも思えない。そもそも、現代社会の危機を「ヨハネの黙示録」に照らして読み解くのが正しいのか、私には分からない。2020/08/18
ひまわり
15
この本が書かれた時はまだコロナの前だが、まさに今何かの啓示を受けているのかと思える。何が大事なことなのか見えてくる。こんな時にはどうしたらよいのか。この本では開かれた教会と言うところだが、それができない今、もっと違う切り口で考えなければならないのだろう。2020/08/06
peace land
7
黙示録はめったに開かないところだ。こうして説明してもらうとなるほど世の乱れはいつの時代も恐ろしいものだと思った。人間は罪のあるものだから、こんなバツがあっても当然だという前提で読むことになる。悪魔とか神の力の前では人間は自分のエゴで生きているだけが精一杯の生き物のように思えてきた。この先、もっとひどい時代が来るのかも知れないと思う。今の教会に対する警告は厳しいものだけれど、当たっていると思う。若い信徒の活動の場がなかなか与えられない。2020/08/30
ベルナデッタ
2
イエズス会の英神父様がタイトル通り聖書のヨハネの黙示録に即して現代社会を分析なさった作品。英神父様が政治経済など世俗の人々の営みについても色々と研究されていることがよく分かる。この作品で英神父様も書かれているが、現代社会は良くはなって行っていない。私もそう感じているので、改めて自分もカトリック的観点から現代社会を見つめ直したい、と決心させられる。2022/04/26
Butterfly
2
ヨハネによる黙示録は、"訳が分からない"という印象ばかりだが(赤毛のアンシリーズ内で読まれる理由が分からない)、現代どのように日々を暮らすか、内省するには良いテキストだと思う。2020/08/05