内容説明
カーレンは戸だなのおくから、そっと赤いくつをとりだしました。「みるだけ」―すると、はいてみたくなりました。ところが、足を入れると、とたんにうきうきして、じっとしていられなくなりました。くつはかってにおどりだし、あっちにいったり、こっちにいったり。カーレンが足をおさえても、とまりません。
著者等紹介
岩崎京子[イワサキキョウコ]
1922年東京に生まれる。短編「サギ」で日本児童文学者協会新人賞、『鯉のいる村』(新日本出版社)で野間児童文芸賞、芸術選奨文部大臣賞、『花咲か』(偕成社)で日本児童文学者協会賞を受賞
降矢なな[フリヤナナ]
1961年東京に生まれる。スロヴァキア共和国、ブラチスラヴァ美術大学・版画科卒業
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感想・レビュー
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どあら
26
図書館で借りて読了。新しい靴を買ってもらったら、履きたくてウズウズしてしまう気持ちは分かります👠が、親切なおばあさんの気持ちにも向き合ってあげて欲しかったです。2021/01/08
おはなし会 芽ぶっく
13
アンデルセンのおはなしを、降矢ななさんの絵と岩崎京子さんの文で。赤いくつの誘惑に勝てないカーレン。赤いくつを脱ごうとしても脱げない…足を切ってもらうカーレン。甘い誘惑に負けてしまった少女には厳しい。怖いと捉えるか、悲しいと捉えるか、とても深い話だと思う。<8分>2018/09/03
ヒラP@ehon.gohon
13
アンデルセンの『赤いくつ』はなぜか、日本人が描く絵本ばかりのようですが、気のせいでしょうか。 いわさきちひろ、降矢なな、網中いづる。 訳者も神沢利子、岩崎京子、角田光代と絵本や小説で名だたる方が連なります。 何か日本の絵本作家、小説家を触発するものがあるのでしょうか。…。天使に救われて天国に召されるラストシーンはとても感動です。 やっとカーレンは赤い靴の悪魔から解放されるのです。 松葉づえを使いながら、天国でおばあさんと二人歩いていく後姿。 このラストシーンに救われたように思います。2012/02/27
遠い日
12
アンデルセンの中でも、特に人間の業を感じさせるお話だ。身勝手な欲に溺れて、身動きのとれない事態になっても、それを背負わなければならない。おばあさんの望みと恩を裏切ったカーレン。深く悔いて、祈りを捧げつつ、残りの人生を歩んだカーレン。なくして初めてわかる愚かさが哀しい。2016/03/09
ヒラP@ehon.gohon
11
【再読】大人のための絵本2022/05/10