著者等紹介
カウフマン,アンゲーリカ[カウフマン,アンゲーリカ][Kaufmann,Angelika]
1935年生まれ。オーストリアの女流画家、版画家。ウィーン造形美術大学ほかで学ぶ。オーストリア各地を初めドイツ、ノルウェー、日本など世界の各地で展覧会を開催。1970年以降、絵本を描き続けている
ローベ,ミーラ[ローベ,ミーラ][Lobe,Mira]
1913年ドイツで生まれたユダヤ人。現在、オーストリアで最も活躍している児童文学作家の一人。女学校卒業のころナチスを逃れて、パレスチナで苦しい亡命生活を送る。第二次世界大戦後ウィーンに移り、児童読み物を書き続ける。主な作品は「小さいかいじゅう」「ゆかいな子ぐまポン」他多数。国際アンデルセン賞優良賞など多くの賞をうける
八木博[ヤギヒロシ]
山梨大学教育人間学部教授
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
112
リンゴの木は、優しくて、すべてを受け入れて、寂しくないと、ひとりでニコニコ笑っていた…。果樹園には沢山の生き物が集まり生き生きとしているはずが、なぜか哀愁漂う絵本。果樹園には仲間の桜の木、梨の木、スモモの木が一緒に枝をのばし雲をつかもうとしている。一斉に色とりどりの花が咲き、虫や鳥やモグラもやってくる。しかし、リンゴの木だけが平和を願っている。幸せになる術を知っている。争いをおさめ、会話をしてなだめ、相手を責めずに心が戻るのを待つ。次の春を迎えるとき、生き物すべてが優しくありたいと願うことを祈っている🍎2021/02/06
Willie the Wildcat
26
支え、支えあう。人種、宗教、性別、イデオロギーなどの違い以前の基本的人権。 理念を掲げ、心に浸透させ、実現!理念への信念と、相手を思う心が、鍵。著者の経歴を拝見し、MSGを再認識した気がする。絵は、樹木や生き物を活き活きと描いた水彩画。去りゆく季節ではなく、来る季節を待ち望む前向きさが前面にでる。2014/03/08
mntmt
24
心が清らかで優しい、リンゴの木。鳥や小さな生き物たちがやって来る。寒い冬も暖かい。何層にも重なった葉に透明感があって、木漏れ日を感じました。2016/08/27
遠い日
9
全てを受け入れ、その上で守るべきことはちゃんと表現するリンゴの老木。生きものたちの命の営みを、助け愛したリンゴの木に、博愛を見る。2014/05/19
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
6
リンゴの木は様々な生き物たちを住まわせている。生き物たちは子育てのために巣をつくり、やがて巣立ちの時を迎える。他の木たちは巣をつくるのを断るが、リンゴの木だけは、黙って体をかしてあげる。命を育むことでリンゴの木はいつも豊か。2025/05/12