内容説明
感情的な議論を排し、透徹した鋭い視点でユダヤ人大虐殺の真相に迫る。
目次
第1章 はじめに
第2章 歴史的展望のなかのホロコースト
第3章 「最終的解決」
第4章 ドイツの同盟国と占領国、そして傀儡政権
第5章 ナチ占領下のヨーロッパにおける世論
第6章 犠牲者
第7章 ユダヤ人の抵抗運動
第8章 傍観者
第9章 ホロコーストの結末
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Arte
1
ドイツはフランス(ドレフュス事件の国)と違ってポグロムがない安全な国だと思われていた、ポーランドのニスコもマダガスカルと同様流刑地の候補だった、ホロコーストのピークは1942年、ホロコースト情報はポーランド経由で結構入って来ていたが、イスラエルのユダヤ人組織でさえ信じられなかった、というか信じる準備ができていなかった(そりゃそうだ)、アメリカはマルメディ虐殺事件までドイツよりも日本の方が犯罪勢力だと考えていた、アルメニア人虐殺は伝統的な虐殺と言えるが、ホロコーストは理念も実行も完璧だった、など。再読大事。2021/08/18
Arte
0
歴史学的に網羅的にホロコーストをまとめた本。後半の、ユダヤ人の蜂起やさまざまな工作が全く無駄に終わったことを延々と説明されている部分が息苦しい。元々特にまとまっている訳ではないユダヤ人としては、今まで何度も迫害を受けてきたこともあり、どの時点で反撃に出るべきかを見極めるのが難しかったこと、周辺国としてはユダヤ人難民の流入が望ましくないため、なるべく見ないふりをしたことが改めてよく分かる。今でも同じ。 2017/10/30