内容説明
第2次大戦下、ヨーロッパ東部戦線には、民族主義の名のもとにナチに協力した者たちがいた。戦後アメリカ情報機関は、元ナチを含めたこれら元ナチ協力者を採用する。深まりつつある冷戦。彼らはまさに傭兵であった。しかし、数々の残虐行為に関与した者がアメリカの秘密工作に入り込んだことで、深刻な悪影響―情報機関関係者の用語で「ブローバック」(逆流)―がもたらされた。すなわち、冷戦がより一層エスカレートし、またアメリカ国内の政治状況も大きく右に揺れ動いたのである。情報公開法によって入手した豊富な資料を用いて、1940年代後半から50年代にかけての冷戦の裏側を描き出す。
目次
第1章 慎重な沈黙
第2章 東部戦線における大量殺戮
第3章 「選ばれた稀有な人材」
第4章 私書箱1142
第5章 目と耳
第6章 CROWCASS
第7章 「私は、…知りたいとは思わない」
第8章 ブラッドストーン作戦
第9章 「アメリカに移送するよう取り計らう…」
第10章 「素手にブラス・ナックル」
第11章 第3次大戦に備えたゲリラ
第12章 「反共産主義者であるならかまわない」
第13章 「ラットライン」
第14章 アメリカへのパイプライン
第15章 「解放」の政治学
第16章 ブルンナーとフォン・ボルシュヴィング
第17章 「解放」の終焉
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