内容説明
「大空を自由に飛びたい」航空機時代の幕明け、日本支配下の朝鮮で一人の女が切望した。男社会・民族差別のなかで「飛ぶ」ことにかけた自立への意志と挫折を綿密に跡付けし、自由を希求してやまなかった魂の光と影を描く。
目次
序章 大邱の林檎園
第1章 ウォントンハダの子
第2章 ウィルソンの飛行機
第3章 立川の赤っ風
第4章 奪われし野にも春は来るか
第5章 わが女流飛行家は何故伸展しないか
第6章 乳の流れる郷へ
終章 玄岳の慰霊碑
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
崩紫サロメ
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日本統治下の朝鮮で、初の朝鮮人女性飛行士となり、日満親善飛行に飛び立ったところ、伊豆半島で墜落死した朴敬元の伝記。彼女の生い立ちについては当時から裕福な両班の娘であったなど様々な噂があったが、著者はその故郷まで行き、戸籍を調べ、そうでもなく苦心して操縦術を学んだ女性であったということを明らかにする。参考文献は巻末にまとめてあり、途中の部分で朴敬元の内心(金子文子や女性飛行士への葛藤)が多く描かれているが、そのあたりは何が典拠なのか気になるが、二重の差別の中で生きた人の伝記として興味深い。2021/02/09




