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出版社内容情報
成田と羽田の2つの首都圏空港で国際線が飛ぶまでには複雑な歴史と関係者の尽力があった!元官僚が初めて明かす航空行政の舞台裏。
内容説明
公共事業には「人の気持ち」が宿る!2000年代に始まる羽田の再国際化。これに複雑な思いを抱く成田関係者。押し寄せる航空自由化の波。JALの破綻。国内外の複雑な折衝に当たった官僚たちが一番大事にしたのは、空港整備に込められた人々の心だった!
目次
第1章 成田空港史―暫定平行滑走路供用まで
第2章 羽田―金浦(韓国・ソウル)便
第3章 羽田―虹橋(中国・上海)便
第4章 羽田―北京便
第5章 羽田の再国際化のスタート
第6章 羽田の国際線の拡大
第7章 首都圏空港の更なる機能強化
第8章 公共事業としての空港整備
著者等紹介
前田隆平[マエダリュウヘイ]
静岡県生まれ。1977年に東大法学部卒業後、運輸省に入省、航空局国際課に配属。1983年、コーネル大学経営学大学院卒業。その後、国土交通省大臣官房審議官、航空局長、政策統括官などを経て、2011年に初代国際統括官。2013年、外務省在スイス特命全権大使(リヒテンシュタイン公国兼轄)。現在、東武鉄道株式会社執行役員経営企画本部長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ろべると
6
国交省で航空局長などを務めた著者は、外国航空機関との交渉を通じて、羽田とソウルなどの「定期チャーター便」の開設を実現し、やがて羽田の拡充とともに本格的な羽田の国際線復活に携わっていく。検証もせずに既成の全てを否定した民主党政権に対する恨みつらみはよく聞くが、著者がもっとも強調するのは成田への思いである。かつての成田闘争を知る人も次第に減り、利便性から羽田回帰が進む中、当時の地元住民の苦渋と理解があってこそ、成田を通して日本が国際的に発展してきたことは忘れてはならないし、今後を考えていかねばならないのだ。2024/11/02
たつ
3
国際航空政策に関わってきた元官僚による著作。国際線を作るのにこれほど労力をつかうとは、まして成田羽田のスロット不足を因に難しいパズルを解くような作業、凄い。著者の成田への思いが強く感じられるのは、先人達の辛苦を重く受け止めているからだろう。2025/04/18
あおちん
2
成田からの便の機内で読みました。特に成田空港開港までの歩み、羽田空港国際化に向けた舞台裏など、よく分かりました。先人たちの苦労や努力、尊い犠牲のもとに今がありますね。2025/05/14
お抹茶
2
著書は国交省航空局元幹部で,羽田の国際線拡大交渉の舞台裏も詳しい。第一章は自身の車も放火された成田闘争の凄惨さを記し,いかに当局が成田に気を遣ったかということもわかる。1965年の新空港予定地内定の官房長官発表は完全な根回し不足で,最初の大きな過ちだった。羽田の国際線は金浦や虹橋への定期的チャーター便から始めた。国際定期便は成田だけという原則を成田関係者に示すための理由を満たすものだったが,限りなく定期便に近い。日本航空と全日空の競争関係にも考慮。欧州路線ではコードシェアの乗り継ぎがないと採算が取れない。2024/10/28
Go Extreme
1
成田空港史―暫定平行滑走路供用まで: 空港反対運動の激化 空港用地確保 二期工事阻止闘争 平和的解決路線 羽田―金浦(韓国・ソウル)便: インチョン国際空港 羽田―虹橋(中国・上海)便: 日中航空拡大の試み 急転直下の解決 羽田―北京便 羽田の再国際化のスタート: 空の自由化 D滑走路供用開始 羽田の国際線の拡大: 日本航空破綻への道 首都圏空港の更なる機能強化: 飛行経理見直し 成田空港の容量拡大 世界に比肩する空港能力 公共事業としての空港整備: 空港整備の意義 空港の採算性2024/10/11