内容説明
「私は、辞書編集者として絶対にやってはいけないことに手を染めてしまいました」辞書に載せることばの用例を探すとき、編集者は文章を読んではいけないという。内容を熟読していると、必要とすることばの例が見つけられないから。そんな「タブー」を犯してまでレジェンド編集者がしたかったこととは?辞書編集で出会った「美しい日本語」「伝え、残したいことば」のエッセー集。辞書編集者が編む珠玉の日本語図鑑!
目次
第1章 自然描写
第2章 美の表現
第3章 文章表現
第4章 感情表現
第5章 人間の性質
第6章 人間関係
著者等紹介
神永曉[カミナガサトル]
辞書編集者。元小学館辞典編集部編集長。1956年、千葉県生まれ。80年、小学館の関連会社尚学図書に入社。93年、小学館に移籍。尚学図書に入社以来、37年間ほぼ辞書編集一筋の編集者人生を送る。2017年2月に小学館を定年で退社後も『日本国語大辞典 第三版』に向けての編纂事業に参画している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tamami
44
著者は、辞書に載せる言葉の用例を採集する時は、元の文章を読んではならない、という禁を犯して本書を書いたと記す。本書は、そんな著者が「いいことばだな、死語になってほしくないな」と思った表現の中から、101の用例を取り上げ、自然描写以下六つの領域に振り分け、例文と共に解説したもの。「木洩れ日」「瑞々しい」「やおら」「憚りながら」「薫陶」等々、の言葉や表現が俎上に載り、言葉のもつ微妙な感覚が、例文と共に記される。これまであまり知らなかった表現や、誤用をしていた言葉もあって、知らず知らずに多くのことを教えられる。2021/06/01
さら
21
言葉は変化していくものです。今使っている言葉の意味が百年後も同じように通じるとは限らないのです。私たちが今使っている言葉も古来の意味とは違う使われ方をしているのかもしれません。 私は言葉を沢山知っていれば表現力は豊かになると思っていました。ですが、言葉を知っているから使えるということにはならないのでしょうね。 どのように使うかわからなければ使えません。 そして美しいと思える日本語も使われなくなってしまうと死語になってしまいます。 美しい表現、きれいな日本語なくしたくないと思いました。2021/05/10
友蔵
11
"辞書編纂者が書いた本"に心を惹かれて買いました。やはり一味違っていました。そして筆者は本を読む事、言葉に対する愛情がひしひしと伝わって来るのでした。新しい語彙を知る、勉強するというよりは言葉の持つ歴史や意味を味わう、そんな本でした。そして、使用例はべて著者が読んだ本から引用されており、その解説もまた素晴らしいものでした。2021/11/14
まさこ
5
邂逅こそ人生の重大事であります、その通り!2021/06/28
夜狼寺 大
3
著者の神永さんは37年間、辞書の編集に携われていて、まさにリアル「舟を編む」です。 本書で挙げられている「ことば」を、ただ意味を解説するだけでなく、実際に使われている文学作品の例をたくさん紹介していて、読みやすかったです。更にその作品のあらすじまで書かれていて神永さんは筋金入りの読書家なんだなと思いました。
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