内容説明
“東洋のルソー”の正体は日本の伝統に棹差そうとする保守思想家であった!近代日本思想史における俗論を糺す著者渾身の一冊!
目次
兆民を「もとおる」―滑稽譚で矛盾を乗り超えんとした人
心理劇「三酔人」の脚本や如何―大愚は大賢に通ず
大きくかつ長い誤解にさらされて―西洋哲学の全貌をみた者の運命
哀しきトリック・スター―認識と政治と生活を区別しなかったがゆえに
「共和制」の神髄を明察した―「君民共治」が「今ルソー」のレス・ピュブリカ
急進を厭う進化論―陽明学徒は西洋を慕いはしない
平等への「醒めた夢」―平等「主義」に走りはしなかった
直接民主制と間接民主制のあいだの境界線―その線上には高い壁がある
諭吉と兆民―かくも近い二人をかくも遠くに隔てたのは何か
金銭と異性にまつわる生の修羅場―「勇民」はそこに突き進んだ
「政治と哲学」を架橋するとは―哲人統治の幻
素朴かつ真率なナショナリスト―国民党結成という「偉大な頓痴気」
「一年半の命」―死の意味を求めて
明治の震撼を鎮めようとした十日間―兆民は無神・無霊・無自由で死に得たか
「考える葦」―これが兆民論の結語
著者等紹介
西部邁[ニシベススム]
1939年3月15日生まれ、北海道出身。東京大学経営学部卒。東京大学教養学部教授を経て94年から2005年3月まで雑誌「発言者」主幹。現在、評論家、隔月刊誌「表現者」顧問。『経済倫理学序説』(1983年、中央公論社)で吉野作造賞、『生まじめな戯れ―価値相対主義との闘い』(84年、筑摩書房)でサントリー学芸賞を受賞。94年、著作・言論活動に対して第8回正論大賞を受賞。2009年、芸術選奨文部科学大臣賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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那由田 忠
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