内容説明
余白の美と一輪の花、ニューヨーク発日本画物語。目を閉じるとそこには宇宙がある。そして私は再び目を開けてその宇宙の絵を描くのだ。毎日、朝6時30分にアトリエに入る。1日15~16時間描く。滝・崖・雲・森・桜―創作の喜びと格闘の日々をつづる。
目次
1 モチーフ「崖」へ!(2009)(直島のキャニオン;香港個展、羽田空港の原画「雲よ!」;一カ月ぶりのアトリエ;大徳寺聚光院襖絵の構想を…;新博多駅壁画のアートな葉・花・虫たち ほか)
2 空の美(2010)(大徳寺聚光院本院の襖絵は「崖四季図」に…;羽田第二ターミナルの「青い崖」に着手;描きたかった「桜」の大作;京都祗園祭の扇子;宇宙観を出したい! ほか)
著者等紹介
千住博[センジュヒロシ]
日本画家、京都造形芸術大学学長。1958年、東京都生まれ。現在ニューヨーク在住。82年東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻卒。87年同大学院博士課程修了。95年ヴェネツィア・ビエンナーレの絵画部門で東洋人として初めて名誉賞を受賞。河北倫明賞受賞、岡田茂吉賞絵画部門大賞受賞(第13回)。2002年「大徳寺聚光院別院」の襖絵完成、07年フィラデルフィア「松風荘」襖絵公開、2009年ベネッセアートサイト直島「家プロジェクト」に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Maiko Araki
1
図書館本。千住さんは、芸術は時間も空間も超えて人間を貫く、コミュニケーションとイマジネーションを教えてくれるものと言い、公共の空間にこそ美が必要と言う。絵は絵を超えて、他者との対話なのだな。岡本太郎さんも同じようなことを書いておられた。また、上手くゆく時もゆかない時もこれが自分のすることと思い決めて絵に向かう真摯な姿にははっとさせられる。偶然この後直島の家プロジェクトを訪ね、崖と滝を観たのだが、絵自体は激しいのに静かで、本当に滝に行った時に水の音はするのに耳の奥がしんとするような感じが伝わってきた。2016/08/11
-
- 和書
- ドゥ・コンセール 〈1〉