出版社内容情報
江戸時代から現代までの堀之内の環境史を描く、人と里山との400年。
多摩ニュータウン開発により、八王子市堀之内から多くの自然が失われた。それでも、里山との暮らしを維持し続けてきた住民たちがいる。かれらにとって、里山とはいかなる空間なのか。里山との関係を持続させることの先に、住民たちは何を望んだのか。
内容説明
地域に息づく関係性の“根ざしなおし”の先に、住民たちが望んだものとは。江戸時代の新田開発や明治政府の森林政策、高度成長期のニュータウン開発。度重なる社会変動により里山とともにある暮らしが脅かされようとも、それを手放すことをしなかった住民たちがいた。かれらにとって、里山を持続させることにはどのような意味があったのか。八王子市堀之内を舞台に、里山と生きた住民たちの環境史を描く。
目次
序章 里山概念の地域社会からの再検討
第1部 かつての里山利用と“根ざしなおし”(幕末期新田開発の展開と地域社会の抵抗;明治近代化政策の進展と林野利用の変容―財源利用としての学校林設置を事例として)
第2部 ニュータウン開発後の里山と地域住民(都市農地保全をめぐる農業者の論理―多摩ニュータウン「農業公園構想」を事例として;現在の地域住民にとって里山の再生とは何か―里山公園における自治会の取り組みを事例として;郊外社会における民俗行事のあり方の多様化と近隣組織―どんど焼きの変容を事例として)
終章 郊外で里山と関わるということ
著者等紹介
岡田航[オカダワタル]
尚絅学院大学総合人間科学系准教授。専門は環境社会学、地域社会学。2018年東京大学大学院新領域創成科学研究科単位取得退学。博士(環境学)。日本学術振興会特別研究員PD(立教大学)などを経て、2023年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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