出版社内容情報
質的研究論文をどう書くか、評価するかの基準として、アメリカ心理学会で質的研究のための学術論文執筆基準が作られた。しかし基準は簡潔に書かれていて、そのまま論文に適用するのは難しい。基準を具体的な研究に橋渡しするための実践的ガイドブック。
*基準作成の中心的役割を果たした著者による懇切な記述。
内容説明
質的研究論文をどう書きどう評価すればよいかの基準として、アメリカ心理学会(APA)の論文作成マニュアルに「質的学術誌論文執筆基準(質‐JARS)」が組み込まれた。この基準を具体的な論文にどのように適用していけばよいのだろうか?基準の作成に中心的な役割を果たした著者が、具体的な提言と実例を通じて、基準の文言を研究論文へと橋渡しする。
目次
第1章 心理学における質的論文執筆基準―その内容と必要性
第2章 質的なストーリーを語る―研究目的は論文執筆にどう影響するか
第3章 方法論的整合性―研究の忠実性と有用性を高める
第4章 研究のミッションをどう定めるか―タイトルページ、アブストラクト、序論
第5章 探究のプロセスをどのように書くか―方法セクション
第6章 何を見出したのか―結果セクション
第7章 論文全体として何が言えるのか―考察セクション
第8章 質的メタ分析の論文執筆―主要な特徴
第9章 混合研究法―複数の論文執筆基準を架橋する
第10章 修辞スタイルと方法論的整合性について―トラブル対応、および論文発表と査読のためのヒント