出版社内容情報
ビジュアル・ナラティヴの先駆的研究『私をつつむ母なるもの』と、異なる文化や年齢、性の人々の「人と人の関係イメージ」「過去-現在-未来」をむすぶビジュアル・ライフストーリーの共通性と多様性に焦点をあてたその後の発展。描画を多数収載。
内容説明
視覚イメージによる語りの「かさね」と「うつり」。身体にひびき、共感的に語るイマジネーションの豊かさ。「私と母の関係」イメージ画からビジュアル・ナラティヴ研究の先駆けとなった『私をつつむ母なるもの』。その後の、多文化や多世代の人々のビジュアル・ライフストーリーの共通性と多様性をみた「人と人の関係イメージ」研究の発展。多様なイメージ画を生のままで生かす質的研究法のおもしろさを味わえる一冊。
目次
1 私をつつむ母なるもの―イメージ画にみる日本文化の心理(なぜイメージ画なのか;基本形―包む母と入れ子の私;さまざまな包みかた;心理的場所としての母;閉じた場所の入れ子の生き方―大江健三郎の小説を中心にして;入れ子の未来;包む―日本文化のかたち;日本文化と「母」―『成熟と喪失』を読み直す)
2 多文化ビジュアル・ナラティヴ―日本、イギリス、アメリカ、韓国の「私と母」の関係イメージ(多文化ビジュアル・ナラティヴ研究の方法論;多文化の「包む」「支える」「見守る」イメージ―日、英、米、韓の「幼いときの私と母の関係」1;多文化の「並ぶ」「向き合う」「離れる」イメージ―日、英、米、韓の「幼いときの私と母の関係」2;多文化の「導く」「与える」「打つ」イメージ―日、英、米、韓の「幼いときの私と母の関係」3;「独立」「不変」ビジュアル・ライフストーリー―多文化の「幼いとき‐現在‐未来」のイメージ1;「循環」「修復」ビジュアル・ライフストーリー―多文化の「幼いとき‐現在‐未来」のイメージ2;「私と父」「私と子」の関係イメージ;おわりに―ビジュアル・ナラティヴ研究に寄せて)
著者等紹介
やまだようこ[ヤマダヨウコ]
山田洋子。1948年、岐阜市で生まれ、山と川のある風景を見て育つ。名古屋大学大学院修了、教育学博士。京都大学名誉教授、立命館大学OIC総合研究機構上席研究員。日本質的心理学会元理事長。専門は、生涯発達心理学、もの語り(ナラティヴ)心理学、文化心理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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