内容説明
多様な文化を「おと・ことば・かたち」という原点にたって、見直し育てようとする「文化資源学」。東京大学で始まった文化資源学が、二十年たってどのように成長したか、その魅力と展望を多面的かつ具体的に報告する。「文化資源学」への扉を開ける13本のエッセンスを収録。
目次
序 文化資源学―文化の見つけかたと育てかた
第1部 おと・ことば・かたち(環境の音は誰のもの?―「発車メロディ」と著作権問題;集中講義「猥褻論」;文化資源学の作法―「個室」の成立と変貌に焦点をあてて)
第2部 見つけかた(美術史と文化資源の往還―絵巻の国際的研究を通じて;文化資源としての葬儀―第三者の関与による変容と継承;文化資源としてのゲーム―ゲーム保存の現状と課題 ほか)
第3部 育てかた(文化資源学研究専攻における文化経営の位置づけ;文化資源学における論文の型;文化経営学の対象―文化政策研究の発見 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
53
聞きなれない学術分野。文化は世の中にどのように存在し受容されてきたのかを考察することも、文化資源学の重要な要素(11頁)。文化はいろいろな人がいろいろな立場から関与することを通して作り上げられてゆくものだ(29頁)。小林真理教授によると、文化経営学とは、文化を持続可能にするための方法や制度を研究する。実務者の研究参加が不可欠とのこと(202頁)。その意味では、文化経済学も同様だった。市民大学院での諸先輩がライフワークを学術書として積極的に出版されている。小生も自分を資源として、世の中に出ているがまだまだ。2022/08/05
わきが
0
文化と聞くと絵画とかクラシック音楽とかそういったものを想像していたけれど,本著を読んで文化は広範であいまいなものだと思った.標識,彫刻,石碑などいつも自分の歩く道にも文化資源は隠れていないか,その文化資源を地元住民がどのように受け入れていて,どんな意味があるのかを考えてみたくなる.2022/12/11
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