内容説明
「子どもたちには独自の世界がある」「子ども観は歴史的・社会的に構築されたものだ」これら1980年代以降の子ども観の問い直しは、複雑な現代における子ども世界のありようをとらえるのに十分なものだっただろうか?従来の問い直しの枠組みを再度問い直し、新たな子どもへの視角を見いだすための、社会学・文化人類学からの具体的なヒント集。
目次
子どもをどう見るか―20世紀の視角を乗り越える
1 現代の子ども研究で問われている視角(子どもの主体性礼賛を超えて―「学校の怪談」をめぐる教師と子ども;グローバル時代における「異文化の子ども」研究―バングラデシュの教育熱のグローカル性;子ども研究における「構築」とは何か―児童虐待問題の歴史)
2 新たな視角を必要とする現実(地域に子どもがいることの意味―子どもを見守る防犯パトロール;施設の子どもの教育問題―子ども間教育格差;依存か自立かの二項対立を超えて―児童自立支援施設における「18歳問題」)
3 子どもをめぐる歴史の重層(関係的権利論から見る基礎教育―植民地近代の遺産とグローバル時代が交錯するインド;「戦争孤児」のライフストーリー―カテゴリーとスティグマのループ;生殖補助医療と「出自を知る権利」―技術・制度・規範のハイブリッド)
著者等紹介
元森絵里子[モトモリエリコ]
1977年生。明治学院大学社会学部教授。子ども社会学、歴史社会学
南出和余[ミナミデカズヨ]
1975年生。神戸女学院大学文学部准教授。文化人類学、バングラデシュ地域研究
高橋靖幸[タカハシヤスユキ]
1978年生。新潟県立大学人間生活学部講師。子ども社会学、教育社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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