出版社内容情報
ジャン=フランソワ・ドルティエ[ジャン フランソワ ドルティエ]
著・文・その他
鈴木 光太郎[スズキ コウタロウ]
編集/翻訳
内容説明
ヒトは二足で歩き走り、ことばをしゃべり、物語を作り、絵を描き、歌い踊る。火を使い、道具を作って使う。神や霊を畏れ敬い、儀式を行なう。同じ祖先から別れたチンパンジーと比べてみると、その奇妙さは歴然としている。この数々の奇妙さは、いつ、どのようにして生じたのか?進化心理学の成果をもとに、人間の本性の新たな見方を提示する一冊。
目次
1章 サルからヒトへ
2章 人間の本性の発見
3章 想像力―観念を生み出す装置
4章 イメージで思考する
5章 起源の物語
6章 石に刻まれた心
7章 言語の起源
8章 芸術の誕生
9章 人間社会の誕生
著者等紹介
ドルティエ,ジャン=フランソワ[ドルティエ,ジャンフランソワ] [Dortier,Jean‐Fran〓ois]
フランス語圏でよく読まれている月刊誌Sciences Humaines(人間科学)の編集・発行人
鈴木光太郎[スズキコウタロウ]
新潟大学人文学部教授。著書に『オオカミ少女はいなかった』(新曜社)、『ヒトの心はどう進化したのか』(筑摩書房)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サアベドラ
21
人間と動物の境目を探るポピュラーサイエンス。著者はフランスの一般向け科学雑誌の編集者。意識、言語、社会性、芸術などヒト固有とされてきた特質について、進化心理学を始めとする諸学問(脳科学、動物学、考古学など)でどこまで解明されているのかをわかりやすく紹介している。原書は2012年刊行だが、翻訳の際に著者により情報がアップデートされている。本書によると、ヒトとサルを分けるのは「目の前にないモノやコトを想像する力」なのだという。過去や未来の想起を否定する仏教は、ある意味でヒトに退化を促しているのかもしれない。2018/09/24
Book shelf
3
ヒトと動物はどう違うのか、ヒトと化石人類はどう違うのか、という問題は骨格を比べても、脳を比べても分かることには限界がある。そこに新しい視点の心や思考、認知能力といった研究分野が参入し、理解を深めようとされてきた。このような物理的な証拠が残りにくい難解な問題についてかなり分かりやすく説明されている。いろんな説があり、どれも決定打がないものの、それぞれに説得力があり、こうして議論が深まってヒトとは何かが分かっていくのだろう。ヒトとは何かについての入門としておすすめ。2024/06/27
Go Extreme
2
ヒトをヒトたらしめる特性の起源 ヒト特性と近縁種の共通性 進化心理学によるヒト行動の生物学的基盤 自然と文化の複雑な相互作用 認知考古学:石器と知性の考察 想像力がヒト心を進化させた鍵 「切り離された表象」によるイメージ操作 動物の集合的知能 霊長類の高度なコミュニケーション 手話コミュニケーション 自己認識 マキャヴェリ的知能による他者意図操作 メンタル・タイム・トラベル 繁殖コストと性的戦略の差異 脳は特化したモジュールの組み合わせ 認知能力の発達段階とメタ表象 思考は「思考の言語」による象徴操作2018/07/03
takao
2
ふむ2023/07/08
hideko
0
学際的にヒトならではの起源を考える。まだ合意されていないことばかりでも、議論されている今が解る。