発達へのダイナミックシステム・アプローチ―認知と行為の発生プロセスとメカニズム

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発達へのダイナミックシステム・アプローチ―認知と行為の発生プロセスとメカニズム

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  • サイズ A5判/ページ数 464p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784788515703
  • NDC分類 143
  • Cコード C3011

出版社内容情報

発達心理学を変える新しいパラダイムを提唱!

 単純な細胞から出発して、どうやって人はこれほど複雑な身体的、心的活動をするようになったのでしょうか。多くの心理学者が今もこの謎の解明に取り組んでいますが、人間は特別と考えやすいのは心理学者も変わりません。しかし本書は、人間が複雑で独特だとしても、そこに到達するまでのプロセスは、単純な生き物の発達や複雑な非生物のシステムを支配するものと共通だという斬新な視点を提唱します。ダイナミックシステムの原理です。まずこの原理について詳しく説明し、この原理が生命体の形態から行動までのすべてのレベルにおける個体発生を統合していることを、データに基づいて説得的に例証してゆきます。発達のプロセスを記述するだけでなく、それがいかなるメカニズムによってもたらされるのかを解明する新しいパラダイムを提示した、画期的な本の待望の完訳です。

発達へのダイナミックシステム・アプローチ 目次



日本語版出版に寄せて

謝 辞



序 章

発達はどのようなものか――上からの見方

発達はどのようなものか――下からの見方

発達理論の目標

本書の計画





第?部 発達の性質――ダイナミックなアプローチ



第1章 歩行学習からの教訓

  歩行の学習――上からの見方

  単一原因による説明の欠陥

  中枢パターン発生器と移動運動

  歩くことの学習――さらなるデータが示すもの

  発達段階を解体する

  シガエルの移動運動の発達

  ヒヨコの移動運動の発達

  ネコの移動運動の発達



第2章 認知発達の危機

  ピアジェ――上からの見方

  下からの見方――推移律を用いた推論

  コンピテンス 対 パフォーマンス

  生得主義

  連続性とは何か?

  生得的とは何を意味するのか?

  モジュール性

  人間の情報処理

  コネクショニズム

  目的論――発達理論における最終状態を超えて

  まとめ



第3章 ダイナミックシステム――変化のパラダイムを求めて

  ダイナミックシステムの振る舞い――概観

  ダイナミックシステムの原理

  時間スケール関係の重要性

  「ノイズ」についての覚え書き

  安定性についての補足説明

  まとめ



第4章 発達のダイナミック原理――歩行学習再考

  本章の概要

  創発する行動の時間スケールに関する覚え書き

  行為のダイナミックな原理

  ベルンシュタインの貢献

  運動のエネルギー的な側面

  実時間における自己組織化――乳児の自発的な足蹴りについて

  複数の時間スケールを行き来する――行為から発達へ

  生成と消失を繰り返すアトラクターとしての発達

  発達における変動性の新たな役割

  乳児の足蹴り運動における個体発生的な変化

  新生児の足踏み運動の消失

  乳児の足蹴り運動の協調と制御

   ――ダイナミックな変化について

  生来的なダイナミックスを環境に同調させる

   ――トレッドミルから誘発される乳児の足踏み運動

  トレッドミル上での足踏み運動の発達

   ――変化のダイナミックスをマッピングする

  ダイナミックシステム・アプローチにおける個体の果たす役割

  トレッドミル歩行の個体発生を理解するための、ダイナミックシステムの原理の操作化

  歩くことの学習のダイナミックな説明――個体発生の全体像



第?部 変化のメカニズムを求めて



第5章 神経組織と発達のダイナミックス

  説明とメカニズム

  脳のダイナミックな組織化

  神経細胞群選択理論

  神経的多様性の解剖学的基礎と機能

  神経胎生学における多様性の創造

  形態発生における細胞表層の役割

  神経発生、マッピング、そして行動の関係――知覚と行為へ



第6章 カテゴリーとダイナミックな知識

  哲学 対 生物学

  自らを教えるカテゴリー――コンピュータ・モデル

  対象の定義の発達

  カテゴリーとは何か

  カテゴリーのダイナミックな選択としての発達



第7章 乳児における選択のダイナミックス

  知覚の統一性

  乳児の感覚モダリティ間統合

  知覚としての運動――発達における運動の決定的な役割

  知覚と認知の発達における運動の中心的役割

  知覚的モダリティの欠如における発達

  ダイナミックな記憶――学習から発達へ

  記憶における発達的変化



第?部 知識のダイナミックスと起源



第8章 知識の文脈特異的な起源

  大域的な構造?局所的変動性――時間スケールの統合

  スロープについての学習

  何が可能かを知る

  可能な事象と不可能な事象

  車が箱を通り抜けられないことを知る

  発達する多様なアトラクター

  大域的構造間の飛躍――新奇な言葉の解釈

  文脈とコンピテンス



第9章 行為からの知識――リーチングの学習における探索と選択

  リーチングの学習――課題の性質

  リーチングの学習――ダイナミック・アプローチ

  リーチングへの移行

  マッチングの意図と、内在的ダイナミックス

  創発的カテゴリーとしての行為

  ネイサン――生後1年にわたる探究と選択

  行為からの知識と知識からの行為



第10章 実時間、発達的時間、知るということ

     ――A-not-Bエラーの説明

  A-not-Bエラー

  文脈効果

  システムによる説明

  発達――実時間と発達的時間を統合する

  成熟か発達か

  知るとはどのようなことか



第11章 困難な問題――ダイナミックな認知に向かって

  動機づけ――それはどこから来るのか

  身体化された認知の起源

  知識の社会的身体性へ向けて

  話すことと知覚すること――相互作用的認知

  ダイナミックな認知における象徴的思考

  パラダイムシフト



エピローグ



訳者あとがき

文献

人名索引

事項索引



                          装幀=新曜社デザイン室

エステー・テーレン[エステー テーレン]
著・文・その他

リンダ・スミス[リンダ スミス]
著・文・その他

小島 康次[コジマ コウジ]
監修/編集

高橋 義信[タカハシ ヨシノブ]
編集/翻訳

丸山 慎[マルヤマ シン]
編集/翻訳

宮内 洋[ミヤウチ ヒロシ]
編集/翻訳

杉村 伸一郎[スギムラ シンイチロウ]
編集/翻訳

内容説明

発達的な変化は、多くの要因が入れ子になった複雑なプロセスだ。その複雑性こそが、相互に関連した数々の原因の絡み合いを生み出す。ダイナミックシステムの原理が、生命体の形態から行動まで、すべてのレベルにおける個体発生を統合していることをデータに基づいて例証。認知と発達を同じ理論の言葉で理解し、実験をこれまでとは異なったしかたで計画し、古いデータを新鮮な観点から解釈する新しいパラダイムを提示した画期的な本、待望の完訳。

目次

第1部 発達の性質―ダイナミックなアプローチ(歩行学習からの教訓;認知発達の危機;ダイナミックシステム―変化のパラダイムを求めて;発達のダイナミック原理―歩行学習再考)
第2部 変化のメカニズムを求めて(神経組織と発達のダイナミックス;カテゴリーとダイナミックな知識;乳児における選択のダイナミックス)
第3部 知識のダイナミックスと起源(知識の文脈特異的な起源;行為からの知識―リーチングの学習における探索と選択;実時間、発達的時間、知るということ―A‐not‐Bエラーの説明;困難な問題―ダイナミックな認知に向かって)

著者等紹介

テーレン,エスター[テーレン,エスター] [Thelen,Esther]
1941年5月、ニューヨーク州ブルックリン生まれ。1964年にウィスコンシン大学より学士号(動物学)、1977年にミズーリ大学より博士号(生物科学)を受けた。同年ミズーリ大学心理学部の助教授、1985年にインディアナ大学心理学部(現在の心理脳科学部)の教授となった。The International Society of Infant StudiesおよびThe Society for Research in Child Development(SRCD)の会長を歴任。2004年12月、インディアナ州ブルーミントンにて死去、63歳

スミス,リンダ[スミス,リンダ] [Smith,Linda]
1973年にウィスコンシン大学より学士号(理学)、1977年にペンシルベニア大学より博士(学術)を受けた。同年インディア大学心理学部の助教授、1985年に同教授、2007年より同特別教授となる。2013年にCognitive Science SocietyよりRumelhart賞、2018年にAssociation for Psychological ScienceよりAPS William James Fellow賞を授与される

小島康次[コジマヤスジ]
北海道大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学、札幌大学女子短大助教授、クラーク大学(米国)客員研究員を経て、北海学園大学経営学部教授(平成30年4月より札幌保健医療大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。