目次
虐待とは
虐待の種類
虐待の歴史と現状
愛着障害
思春期・青年期における虐待の影響
発達障害の虐待への影響
虐待の引き起こす精神疾患
脳の役割と発達
精神疾患と脳の画像診断
虐待経験者の脳画像研究
精神トラブルの無い虐待経験者の脳を調べる
癒やされない傷
虐待は受け継がれる
癒やされる傷
現代社会における育児
治療から予防へ
育児に関わる人たちへ
著者等紹介
友田明美[トモダアケミ]
脳科学者。専門は小児発達学、小児精神神経学、社会融合脳科学。1987年熊本大学医学部卒。博士(医学)。熊本大学准教授等を経て、現在は福井大学子どものこころの発達研究センター発達支援研究部門教授・副センター長
藤澤玲子[フジサワレイコ]
フリーライター、翻訳家。1996年同志社大学文学部卒。2006年ニューヨーク州立大学アルバニー校経営学修士課程修了。現在は福井大学子どものこころの発達研究センター技術補佐員として勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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こふみ
15
NHKのプロフェッショナルを見て友田先生に興味を持ったので、手に取ってみました。 ご自身の育児体験と沢山のデータから発せられる言葉は心に響きます。2018/12/11
ひろか
11
虐待の問題を考えるとき、その主体が一人の親であったとき、葛藤があるのが当然だ。それなくして、語ることはできないし、不誠実なものだ。その視点でいうと、その特性上やむを得ないが、ニュース、新聞レベルだと役にも他立たないし、何もつかめない。著者は専門家であると同時に、ごくふつうに苦労や工夫を重ねながら育児をした一人。母としての視点も大事に触れられていてよい。2018/01/14
Sumiyuki
9
良書。子どもがマルトリートメントに適応していった結果が脳の傷。親が子育てに不慣れな時期に、子どもの脳に大きな影響を及ぼす。アメリカで初めて虐待から子どもを保護した法律の根拠が動物愛護とは。誰しも子育ては初心者。まずは友達やら親戚の子どもと触れ合うことから始める。核家族。頼る。愛着障害。褒める。スキンシップ。人間性を尊重する。@良い親であることより、親自身が笑っていられること、それが子どもの脳の発育にもっとも良いのだ。2019/01/22
ジュリ
6
虐待によって脳の海馬や偏桃体が委縮してしまう。虐待を受けていた人はうつ病、アルコール依存症などの精神疾患になりやすいようだ。2020/01/25
だいご
5
人は生物である以上、辛い世界で生きるために脳が適応しようとしていく。それは虐待を受けた人も同様で、身体的虐待や性的虐待、心理的虐待など受けた種類によって脳を変えてしまう。こういう本を読んだときにもどかしいのは、本当に読んで欲しい人には届かないだろうと感じること。虐待が脳に与える影響を知った自分に何ができるのか。子ども達を守るために考え続けたい。2023/07/24