内容説明
600人を超える知識人・ジャーナリスト・政治家などが書きつけた同時代の膨大な論考を読み解き、鋭利に論評。地域格差、労働環境、介護、科学技術、金融緩和、グローバリズム、そして軍事問題など、現代日本の課題へ独自の解釈と回答を示す。『朝日新聞』論壇委員担当時のメモ3年分を所収。
目次
「政治の対立軸」はいかにして可能か―経済政策と労働改革
立憲主義とはなにか―自殺・うつ病・財政、そして民主主義
ポピュリズムを呼びこむもの―「橋下現象」と自民党改憲草案
「アベノミクス」への評価―リフレ政策をめぐる緒論
猫が読んだ憲法論議―中東地域研究と知識人たちの憲法観
身近な「停滞ニッポン」―婚活、ヤンキー、シルバー民主主義
連帯をもたらす経済―日中関係、財政、税制
「悪の凡庸さ」―ヘイトスピーチ、安保基本法、ロボット戦争
構造改革と原発―金融緩和と産業政策
メキシコからの視点―尖閣諸島、選挙制度改革、AKB48〔ほか〕
著者等紹介
小熊英二[オグマエイジ]
1962年生まれ。東京大学農学部卒業、出版社勤務を経て、東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻博士課程修了。現在、慶應義塾大学総合政策学部教授。『首相官邸の前でTell the Prime Minister』で、2016年「日本映画復興奨励賞」受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まゆまゆ
6
朝日新聞の論壇委員である筆者が書評した2013年4月から2016年3月までの論評まとめ。やっぱりそれぞれの時期でテーマがあったんだけど、その時に深く考えていなかったからか、テーマを忘れてることが多かったかな。憲法論議と経済政策を中心に復習といった感じ。2017/10/18
ゆうすけ
4
小熊英二が2013年4月から16年3月まで朝日新聞の論壇委員として書いたメモがベース。それにしても物凄いボリュームで正直読み終えるので精一杯だったというのが正直な感想。とはいえこのような仕事ができる人は日本を見渡してもみても著者しかいないような気がする。雑誌とかに書いてある記事だとそれなりのことが書かれていて何となく納得してしまうのだけど、小熊は左右問わず突っ込んでいる。当然それは著者の好みの中においてそうしているのだけど、そのスタンスは勉強になる。何事も批判的に読み解くということが大事なのだ。2020/09/28
Kei Iwasaki
1
7/10:結構分厚く、読むのに時間がかかった。毎月の論壇から注目記事を小熊さんがピックアップし、解説したもの。一つ一つの論説に深く踏み込むことはしないが、様々な論の総攬にはちょうど良い。一応、小熊さんなりに流れにして複数の論文を語っているので読みやすい。これを読んだおかげで興味が出てきた分野も発見でき、読んだ甲斐があった一冊。2017/11/24