内容説明
衣服を着るとは、“意味”を着ることであり、裸体とはいわば、“意味の欠如”を着ることである。だからこそ脱ぐことは、かくもスリリングなのだ!「着る/脱ぐ」という記号過程を、いま、根源的に問い直す。
目次
第1部 着ることを脱ぎ捨てること(“脱ぐこと”の哲学と美学;新聞女―アートは精神の解放)
第2部 「憧れ」を纏うこと(「なぜ外国のファッションに「憧れ」るのか」を問うということ;表象としての外国のファッション―エキゾチシズムをめぐって;日本映画に見る「モガ」の表象―洋装とアイデンティティ;キャラ的身体のためのファッション;ヨーロッパの輸入、再生産、そして逆輸入と再々生産―ゴスロリ・ファッションをめぐって;「憧れ」とともに生きる―シンポジウムを終えて)
第3部 (人を)着る(という)こと(袈裟とファッション;音を着る―フルクサスの場合;ギー・ドゥボールとその「作品」―映画『サドのための叫び』における「芸術の乗り越え」と「状況の構築」;(人を)着る(という)こと)
第4部 日本記号学会と山口昌男(山口昌男先生を偲んで)
第5部 記号論の諸相(研究論文 究極的な論理的解釈項としての「習慣」とパースにおける「共感」;研究報告 家族関係修復のセミオシス―発達記号論ケース・スタディ;ペルシャの青―ホイチン(回青)の壷に現われた形而上の諸々)