内容説明
同時に重なる就職と妊娠、研究と育児―あきらめずにどう乗り越える?現実的な問題解決策、活用した制度やその効果、パートナーや周囲の人たちとの協力体制、つらい時期の心の持ちようなどを、5人の心理学者たちが実体験から語る。
目次
第1章 ある女性研究者のワークとライフ―産むまでの悩みどころ
第2章 遠距離結婚生活の中での育児と研究生活
第3章 主夫に支えられて―わが家の家事・育児分担の変遷
第4章 男性(夫)が育休を取った場合の経済的デメリット
第5章 病児保育といろいろな働き方
第6章 今になって思う研究者のワークとライフ
著者等紹介
仲真紀子[ナカマキコ]
北海道大学大学院文学研究科教授。お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士課程中退。学術博士。専門は発達心理学、認知心理学、法と心理学
久保(川合)南海子[クボカワイナミコ]
愛知淑徳大学心理学部准教授。日本女子大学大学院人間社会研究科心理学専攻博士課程修了。博士(心理学)。専門は実験心理学、老年心理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケニオミ
8
仕事の面接のために読むつもりが、面接は早轟沈。海底に沈んで2ヵ月後に読むはめになった本です。本書のテーマについて以前研究していたことがあるので、すんなり読むことができました。(面接前に読んだとしても面接結果は同じだったでしょうね)育児は女性の仕事であるという固定観念があるため、女性研究者は育児に縛られてしまう。育児の時期がキャリアにとって重要な時期に当たるため、女性研究者の葛藤は並大抵ではない。まず楽天的になり、制度を十二分に活用しながら、配偶者、父母、周りの人達を取り込んで対応するのが肝要のようです。2015/12/23
Atsumi_SAKURADA
0
心理学分野の大学教員である女性4名と男性1名による体験談をまとめた本です。人ぞれぞれの結婚・出産・育児、そして職探しの苦労とその克服が語られ、当事者やこれから当事者になり得る人たちへの賛歌…になっていますが、どれもあくまで「生存」できた事例です。もしも日本ではここまで努力と幸運が重なる必要があるのなら、出生率は下がり研究者の人材(特に女性)が増えないのは至極当然です。子育てって本来「普通」のことでしょう? 生存できなかった事例集も併せて検討する必要がありそうです。読みたい人は少ないでしょうけど。2022/11/11