内容説明
いじめグループから現金を脅し取られ自殺した中学生の事件から、著者はいじめ自殺の背後に共通する風景があることに気づく。金銭の絡むいじめ自殺は旧軍用地を利用した開発の周辺部に集中していた。寂れた風景のもとで、なぜ中学生たちは金銭欲に取り憑かれ、いじめ自殺事件を引き起こすのか?開発による空間の変容と暴力を照射し、「かわいい」ものがあふれ、死への怖れを失った消費社会を根源から揺さぶる。
目次
第1章 「脱中心化する風景」の生産
第2章 軍隊の痕跡の後に―残された農地、失われた農地
第3章 いじめ自殺
第4章 開発計画と暴力
第5章 「田園」と「都市」
第6章 消費社会と暴力
第7章 死の消滅
著者等紹介
荻野昌弘[オギノマサヒロ]
1957年千葉県生まれ。パリ第7大学大学院社会科学研究科博士課程修了、博士(社会学)。関西学院大学社会学部教授。専攻は文化社会学、歴史社会学、社会学理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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