出版社内容情報
◆内面に寄り添う理解のために◆
虐待や育児放棄など、家族と共に暮らすことが難しかったり、そもそも家族が いない・わからない子どもたちは、児童福祉施設で自分の人生を切り開くため の力をたくわえ、社会に巣立っていきます。本書は、そのような施設で暮らしている子どもたちが困難を乗り越えて自立していくみちすじを、長期間現場に参加しながら描き出した記録です。子どもたちの味わっている辛さや苦しさに 寄り添うため著者たちは、現象学を導きの糸としました。しかし本書は、難解 な現象学についての本ではありません。行動の観察にとどまらない内面に深くせまる実践的理解とはどのようなものかを、じっくりと味わいたい本です。編者は東京大学名誉教授(教育学)。
目次
序章 再出発にともなう不安
第1章 施設を自分の居場所にする(はじめに―子どもたちの実態;居場所をつくりだす道具 ほか)
第2章 他者と共に暮らす(はじめに―子どもたちの実態;ホームの外の人間関係 ほか)
第3章 虐待をのりこえる(はじめに―子どもたちの実態;自分自身からの逃避 ほか)
第4章 子どもの辛さをめぐって(本当の自分;可能性にともなう不安)
著者等紹介
中田基昭[ナカダモトアキ]
1948年東京に生まれる。1980年東京大学大学院教育学研究科博士課程修了(教育学博士)。現在、岡崎女子短期大学・特任教授、東京大学名誉教授
大塚類[オオツカルイ]
1979年大分県に生まれる。2008年東京大学大学院教育学研究科博士課程修了(教育学博士)。現在、日本学術振興会特別研究員PD(宮城教育大学)
遠藤野ゆり[エンドウノユリ]
1978年山口県に生まれる。2007年東京大学大学院教育学研究科博士課程修了(教育学博士)。現在、山口大学教育学部・講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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