内容説明
熟年離婚、虐待、一卵性母娘、摂食障害―現代、山姥は山を降りて私たちのなかに棲んでいる。ユングの心理学を道案内に読み解くと、昔話は今も新しい。山姥はもう、奥深い山に隠れてはいない。
目次
第1章 街に降りた山姥
第2章 山に棲む女
第3章 飯食わぬ女房
第4章 紡ぐ女―運命
第5章 援助する母・呪う母
第6章 山姥の皮
著者等紹介
山口素子[ヤマグチモトコ]
京都大学大学院修了。教育学博士、ユング派分析家(C.G.Jung Institute‐Zurich)。現在、神戸女学院大学人間科学部教授、日本ユング研究所トレイニングアナリスト、日本ユング心理学会理事。心理療法における象徴やイメージ、日本の女性元型としての山姥分析、アニマ、アニムスなどの研究を進めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケロコ
19
【図書館】ユングの心理学より、母との関係、母としての自分と向き合うために借りてみたが、少々思惑とは違ったかも。民話の山姥になぞらえて深層心理を紐解くのだが。、。山姥は恐ろしい。2017/05/03
ひつまぶし
3
『心理療法と物語』収録の著者の論文が面白かったので読んでみた。ユング派の精神分析家が、元型として昔話を解釈し、考察していく様子がうかがえて興味深かった。ただ、どうしても試行的な要素は拭えない。集合的な元型は歴史的、文化的に彫琢されてきたという意味では普遍性を備えており、解釈の手がかりになるとしても、個別の個人に必ず当てはまるというものではない。そういう意味では〈臨床の知〉そのものではない気がする。全体から取り出された叡智を無視するわけにはいかない。しかし、そうした叡智は何のためにあるのかに関わるのだろう。2024/07/15
akizuki
1
ユング派分析。女性元型としての「山姥」を、昔話「飯食わぬ女房」「山姥の仲人」「米福と粟福」「蛇婿入り」などから解説。面白い。だた臨床との関係が詳しくない。
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