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里川の可能性―利水・治水・守水を共有する

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  • サイズ B6判/ページ数 277p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784788510241
  • NDC分類 517.04
  • Cコード C1036

出版社内容情報

 里川とは里山をもじった造語。故郷の小川のイメージだけでなく、都会の川、街中の水路なども広く含みます。環境社会学・建築史・河川工学の視点から、日本中の川を三面コンクリートにした河川行政の行き過ぎを反省し、琵琶湖、熊本、愛知、山梨、東京下町などで川と人の深い結びつきを調査・取材。飲料水や農工業など経済目的の利水、水害の被害を防ぐ治水だけでなく、川を地域の財産、愛着ある場として共有する「守水」の考え方を「里川宣言」として提案しています。川の写真多数、豊富なブックガイド付き。

 「里川」とは聞き慣れない言葉であろう。水について研究をしているわれわれプロジェクトチームの造語であるからである。現実に農業用水を里川と言っている地域があったので、それを借用したのである。したがって、造語というよりも借用語といった方が正確であろう。自分たちに身近な川として、前川とか、井川、村川というような命名が日本の各地に見られるが、里川もそのひとつである。(「序 いまなぜ里川なのか」より)

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 【関連書籍】
 『 コモンズをささえるしくみ 』 宮内泰介編  (定価2730円 2006)
 『 みんなでホタルダス 』 水と文化研究会編 (定価2625円 2000)
 『 環境的公正を求めて 』 戸田清著 (定価3675円 1994)

 【新 刊】
 『 関わる [生命誌]年刊号49-52 』 中村桂子編集 (定価1600円 2007.4月)

目次

序 いまなぜ里川なのか
第1章 里川の意味と可能性―利用する者の立場から
第2章 里川と異質性社会―あらそう人びと、つながる人びと
第3章 里川への経済学的アプローチ―矢作川の保全活動から
対談 他者との対話から生まれる川の物語
第4章 半自然公物としての里川―千年持続する河川技術から考える
対談 川への思い入れが拡げる新たな公
第5章 船旅による川の再発見
対談 「まち川」が多様な人びとを結びつける
第6章 書誌「里川」―文献で読む里川
終章 里川を求める思想―川とつきあいたい理由

著者等紹介

鳥越皓之[トリゴエヒロユキ]
早稲田大学人間科学学術院教授

嘉田由紀子[カダユキコ]
滋賀県知事

陣内秀信[ジンナイヒデノブ]
法政大学工学部建築学科教授

沖大幹[オキタイカン]
東京大学生産技術研究所都市基盤安全工学国際研究センター助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

華凛。

0
里川にはしっかりとした定義がない。そのため多くの人が里川に思いを馳せる。経済学や地域から考えた里川などが書かれている。近い水から、遠い水に変わってしまったというのが心に響いた。また、気付く多様性が重要というのも、その通りだと思った。定義がないということは、色んな人がイメージを膨らませ、考えることが出来ると言うこと。そのきっかけになるのがこの本だと思う。ただ、万人受けするように読みやすいように書くか、論文のように書くかをどちらかにして欲しい。2011/04/01

taming_sfc

0
2006年のミツカン水の文化センター企画の書籍。鳥越先生はじめ、嘉田先生、沖先生、諸富先生など、多彩なバックグラウンドを持つ日本の著名な環境学者による論考が集まる。自然と人間のかかわりの場としての川を、里川と呼ぶことで、戦後河川行政によって「遠い水」の水路と化した河川を、「近い水」の協働空間として取り戻す可能性について、論じている。もう少し、論文っぽくしてくれれば、もっとありがたかったのだが、里川の概念・問題意識は共有できる。2010/09/05

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