心理学エレメンタルズ
心の神経生理学入門―神経伝達物質とホルモン

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  • サイズ B6判/ページ数 135,/高さ 19cm
  • 商品コード 9784788509610
  • NDC分類 491.37
  • Cコード C1011

出版社内容情報

 ドーパミン、セロトニン、ホルモンなど、私たちもよく聞く言葉ですが、これらは神経のはたらきに関係していて、私たちの心をいわば生理学的に支えています。いったいどんなしくみで? 電子顕微鏡や、最近話題のPETなどイメージング技術によって明らかになった、神経の情報処理の仕組みやホルモン・システムのはたらき、そして、薬物や麻薬が神経に及ぼす作用など、これまで難しい専門書しかなかった分野についてはじめてやさしく解説した本です。

 私は本書をサッカーのワールドカップの年に書いているので、サッカーのアナロジーで始めたいと思う。ボールに強く空気をいれないとうまくバウンドしないし、一方強く入れすぎると破裂してしまう。プロのサッカー選手は、ボールの空気圧がわずかでも違うとよいゲームができなくなるという。つまり、ボール圧が一定の範囲にあってこそ、サッカーはサッカーたり得るということになる。身体についても同じことが言える。たとえば身体の多様な科学物質の反応は、酵素(enzyme)のはたらきによって調整されている。酵素は一定の温度の範囲でのみはたらくので、体温も常にその範囲に調整されている必要がある。このように、体温やその他の機能を調整するはたらきを、ホメオスタシスのメカニズムと呼ぶ。(「第6章「ホメオスタシス」より)

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 【関連書籍】
 『 システム現象学 オートポイエーシスの第四領域 』 河本英夫著 (定価4410円 2006)
 『 大脳皮質と心 』 J・スターリング著 (定価1890円 2005)
 『 脳 回路網のなかの精神 』 シュピッツァー著 (定価5040円 2001)

内容説明

心の精妙なはたらきを支えるドーパミン、セロトニンなどの神経伝達物質とさまざまなホルモン。そのしくみから薬物の作用まで、基礎からわかりやすく解説。

目次

第1章 脳の機能を研究する方法
第2章 ニューロン
第3章 中枢神経系の組織
第4章 自律神経系
第5章 内分泌システム
第6章 ホメオスタシス
第7章 薬物はどのように脳に影響を与えるか
第8章 精神活性薬を分類する
第9章 薬物と行動

著者等紹介

シルバー,ケヴィン[シルバー,ケヴィン][Silber,Kevin]
スタフォードシャー大学ヘルス・アンド・サイエンス学部心理学上級講師。イギリスのAレベル試験委員。精神疾患の心理学的研究の他、インターネットによる教育と学生支援についても研究している

苧阪直行[オサカナオユキ]
1976年京都大学大学院文学研究科(心理学)博士課程修了。1979年文学博士。現在京都大学大学院文学研究科実験心理学教授

苧阪満里子[オサカマリコ]
1979年京都大学大学院教育学研究科(教育心理学)博士課程修了。1984年教育学博士。現在大阪外国語大学教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

岡本正行

24
わかりやすそうで、難しい本。治療法、投薬の名前や効用など素人には、理解しがたい面と実際に効くのか疑問が解けない。たまたま効いたのか、なぜ効いたのか、単なる対症療法か、それとも現実に精神科の病気が、ほんとうに発症の理由から治療法まで、必ずしも解明されていない情況で、薬ばかり進歩、増加するのが、本当に治療を受ける者にいいのか、それも知りたい。難しい医学書よりはいいか、途中で一度投げ出したものの、とりあえずは最後まで読んだ、ただ読んだだけという感じも払拭できない。根本的な治療法はない。2023/07/04

makurasi

1
心理学の勉強の一環で読み終えました。神経生理分野は、難しい単語が多くて敬遠していました。しかし本書は、分かりやすく解説してくれました。オススメの1冊になりました。2019/10/30

好奇心の横断歩道を渡る!

1
薬物がどのように作用するのか説明する部分が一番面白かった。結構薄くてパッと読める教科書って感じ。「入門」だから、そこまで詳しく書かれてるわけじゃないけど、ネット記事よりもはるかに整理されてていい感じ。〜〜具体的な内容→ニューロン・自律神経系の働き・内分泌システム(ホルモンとか)・ホメオスタシス・薬物の脳への影響・薬物の分類・鬱について2019/08/23

Manabu Miyoshi

0
ほかの生理学的心理学関連の本数冊と併せて通読。心理学徒に必要な生理学の知識がコンパクトかつ網羅的に書かれており,章分けも区切りが良く,巻末の用語集も充実していてとても良かった。とくに内分泌系は,ほかの生理学的心理学の総合的なテキストではHPA-axisぐらいしか紹介されていなかったので,大変役に立った。ただし,内分泌系の章はとても一度読んだぐらいでは理解し切れなかったので,また読み返したい。薬物の作用も具体的で分かりやすかった。手元に置いておきたい本。2012/12/13

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