出版社内容情報
人間はリンゴをうまいと感じますが、ネコはリンゴを好みません。その理由はいくらリンゴの化学的成分を調べてもわからないでしょう。そこで進化心理学の出番です。進化心理学は、これまでの科学では研究することができなかったユニークな問いを立て、新たな理解をもたらすことができます。男性と女性の性行動の違い、恐怖や不安の由来、心の病はどうしてあるのか、なぜ知性が発達したのか――注目を集めつつある進化心理学の興味深い話題を大変分かりやすく解説。
ダーウィンは少し楽観的過ぎた。というのは、アメリカではウィリアム・ジェイムズによる初期の研究があったものの、社会生物学という形で人間行動への進化的アプローチが現れて、進化心理学の素地ができあがるのは、やっと1970年代になってのことだからである。心理学者は、20世紀のほとんどを通じて、ダーウィンの主張に耳を傾けず、ダーウィンを無視するか誤解していた。だがいまや、多くの心理学者と生物学者が(私もそのひとりだが)、心理学はあらゆる生命科学の基礎にあるこの中心的パラダイムとの関係をとり戻すべきだと考えている。それは、自然淘汰と性淘汰による進化という考え方である。(「第1章 進化」より)
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【関連書籍】
『 交通事故はなぜなくならないか 』 ジェラルド・J・S・ワイルド著 (定価3675円 2007)
『 心の発生と進化 』 D・プレマック、A・プレマック著 (定価4410円 2005)
『 人間はどこまでチンパンジーか 』 J・ダイアモンド著 (定価5040円 1993)
内容説明
人間の行動は進化論でどこまで解けるか。はじめての入門書。
目次
第1章 進化―自然淘汰と適応
第2章 2つの性による繁殖
第3章 性淘汰
第4章 人間の性を解明する
第5章 心の原型―適応反応としての恐怖と不安
第6章 心の病を進化から説明する
第7章 脳の大きさの進化
第8章 知能の進化
著者等紹介
カートライト,ジョン・H.[カートライト,ジョンH.][Cartwright,John H.]
イギリス、チェスター大学上級講師。サセックス大学大学院修了(生化学、科学史)。大学では科学史、生物学、進化心理学の授業を担当している。ダーウィンの研究者としても知られている
鈴木光太郎[スズキコウタロウ]
新潟大学人文学部教授。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。専門は実験心理学
河野和明[カワノカズアキ]
東海学園大学人文学部助教授。名古屋大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(心理学)。専門は感情心理学、動物行動学
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感想・レビュー
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