群集の居場所―都市騒乱の歴史社会学

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  • サイズ A5判/ページ数 284,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784788509368
  • NDC分類 361.44
  • Cコード C3036

出版社内容情報

本書は、大通りや都市公園、繁華街といった群衆の居場所と、そこで起こったできごとの分析を通して、群衆とはどのような社会的事実なのかという問いに社会学的に答えようとする試みである。具体的には、明治・大正期の東京の「改正道路」、日比谷公園、銀座などをそれらの場所で起こった象徴的なできごと--都市騒乱に焦点あてて分析する。それらはどのような場所として構成されており、そこで群衆はどのように行動したのだろうか。(「まえがき」より)

内容説明

1905~1918年。日比谷焼打事件、大正政変、東京の米騒動。日露戦争勝利の興奮に沸き立つ東京。路面電車が走りショウウィンドウの煌めく銀座、日比谷、上野の大通りで、人びとは何をもとめ何に憧れたのか。「社会的事実としての群衆」に注目し、暴力から理性へ、大胆な視座転換によって、近代日本の都市騒乱を鮮やかに描き直す。

目次

第1章 群衆の社会理論
第2章 近代日本における群衆の歴史的形成
第3章 近代日本における群衆の居場所の歴史的形成
第4章 巷に燃える火―日比谷焼打事件における群衆と集合的暴力
第5章 群衆を呼ぶ声―大正政変における群衆と集合的暴力
第6章 小僧たちの騒乱―東京の米騒動における群衆と集合的暴力

著者等紹介

中筋直哉[ナカスジナオヤ]
1966年兵庫県神戸市生まれ。1994年東京大学大学院社会学研究科博士後期課程単位取得退学。1998年東京大学より博士(社会学)取得。法政大学社会学部・大学院政策科学研究科助教授。同大大原社会問題研究所運営委員、同大地域研究センター運営委員。専攻は地域社会学、都市社会学
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感想・レビュー

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鵐窟庵

10
本書は都市空間の祝祭性である「盛り場」に対し政治性の働く「都市動乱」から見た大正期の群衆像に肉薄する。まず群衆を社会学的通説から離れた社会的主体と定義し、彼らが新生活を受容する過程で自己へ意味付けると自らの生活に応じた操作可能性が矛盾に満ちた様相を「観念の技法」と呼んだ上で、実際の日比谷焼討ち事件、大正政変、東京米騒動を詳細な資料から参加者・検挙者らの諸属性(職業、居住地、年齢等)を特定して緻密に分類していき、「都市動乱」が都市の近代化の上で、市民の主体性の確立と都市空間の成熟の過程であったと結論される。2020/06/22

Maedax

1
卒論の先行研究として。第1章の「集団行動論」学説史の検討はとても参考になった。しかし、まあ、難解であるので、理論の骨組みだけを理解しようと思う。2015/05/14

0
H💫SEI2020/08/18

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