出版社内容情報
コンピュータは決して中立的な道具ではなく、それ自体が知のあり方、文化の内容を左右する道具である―知識の断片化・脱文脈化と技能のマニュアル化の果てに何が起こるか?渦中の人々には見えないIT依存文明の危機をその原理からえぐる。
内容説明
破壊はどこで起こっているか?危機はどのように進行しつつあるか?コンピュータ依存社会が招く危機!そのありかと性質。
目次
第1部 文化と生態系にもたらされるもの(グローバル化するサイバースペース―未来物語と現実;サイバースペースの文化と日常生活;知恵をデータで置き換える―その生態学的意味;進化論的議論とグローバルなコンピュータ文化)
第2部 教育の影響(コンピュータにもとづく教育の見込み違い;なぜコンピュータが教師に取って代わってはならないか;テクノロジーを考え直す―教育に何ができるか)
著者等紹介
杉本卓[スギモトタク]
1962年生。東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。現在千葉工業大学工学部助教授。ことばとメディアと教育に関わる諸問題について関心をもっており、近年は特に、インターネットを利用した教育、電子メディア時代の社会・文化、読み書きと学習・発達の関係、などの問題について研究している
和田恵美子[ワダエミコ]
東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。現在日本学術振興会特別研究員。教育的関係における「統治」(government)、「規律」(discipline)という概念の歴史を探究している。「自律的な個人」といった近代の主体像が、自己による自己の「統治」や「規律」の技法を通じた継続的な精神的統制によって形成されてきた過程を、批判的に検討してきている。『日本デューイ学会紀要』(2000年)で平成12年度日本デューイ学会研究奨励賞受賞
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