出版社内容情報
ユング心理学を道案内に『古事記』の英雄譚をたどりながら「公」というペルソナが発達し相対的に自我の弱い日本的意識の生成発展過程を詳しく追う。集合的無意識を自覚することこそが自我の影であるアニマやアニムスと出会う道であることを説く。
内容説明
肥大したペルソナ=世間に向ける顔をなかなか外せない日本人。日本人が呼吸する文化に深く編み込まれた日本的意識の形成過程を、古事記の神々は雄弁に物語る。
目次
第1章 日本的意識とは?
第2章 古事記のなかの国造り―天上から地上へ
第3章 中断された国土創成―地上から地下へ
第4章 イザナギによる秩序構築―地下から地上へ
第5章 スサノオの出立
第6章 アマテラスとの競合―地上から天上へ
第7章 食物の女神を殺害―天上から地上へ
第8章 龍を切り裂く英雄
第9章 聖婚
第10章 国土創成の再開―地上から地下へ、そして再び地上へ
第11章 らせん的拡充
著者等紹介
高尾浩幸[タカオヒロユキ]
金沢大学医学部卒。東京医科歯科大学医学博士。1992-96年チューリッヒ・ユング研究所に留学し、ユング派分析家の資格を取得。現在:東京アルコール医療総合センター所長。日本トランスパーソナル心理学・精神医学会理事。専門:分析心理学・精神分析・精神医学。著書に、『臨床心理学2 診断と見立て』(2000、培風館、共著)。翻訳に、アゴ・ビュルキーフィレンツ『変わる妻たち』(1999、新曜社、監訳)。C・G・ユング『診断学的連想研究』(1993、人文書院)
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