出版社内容情報
「誰が中国を養うのか?」世界の疑問に中国人口論の第一人者が真向から答えます。人口問題はたしかに現代中国最大の難問だ、しかしそれは中国最大の希望ともなる。著者の論点はここにあり、巨大人口の圧力を食料生産との関係を中心に、教育、就業と年齢構造、高齢化、都市化の戦略、地域格差、資源と環境等の多方面から克明に検証し、問題点をテコに持続的な発展の具体的方策を導き出すことにより「中国は自らを養う」ことができ、活気ある未来が開けることを力強く説いています。議論の射程は人口問題を切り口として中国社会の表層から底流まで届き、21世紀中国の動向を占なう一冊。
・信濃毎日新聞 2000.3.26 紹介 筒井紀美氏
・「日中文化交流」2000.5.1
・「世界と人口」2000.4 大野静三氏評
・「人口ブレティン21号」2001年
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【関連書籍】
『 コモンズをささえるしくみ 』 宮内泰介編 (定価2730円 2006)
『 利他性の経済学 』 舘岡康雄著 (定価2940円 2006)
『 中国民衆欲望のゆくえ 』 鍾家新著 (定価1995円 1999)
【新 刊】
『 資本主義黒書 』 R・クルツ著 (上巻6930円 下巻4620円 7月下巻刊行)
内容説明
中国はどのような基礎的条件をもって、どのような足どりで21世紀に踏み込んでゆくのか。また次の世紀に中国はどのような発展を遂げ得るのか。世界の激しいランキング争いにどのような変化が起こるのか。こうしたことを本当に知りたければ、実際人口に問うしかない。人口が中国の将来の発展にどのような制約あるいは推進的役割を演じるのかを問うことによって、大国であることの困惑から脱出し、希望を現実に変える道をさぐる。これこそが『大国の難』を執筆した初志である。
目次
第1章 高速で走ってきた列車―人口の歴史に類例のない飛躍的な増加
第2章 21世紀の新たな話題―中国人は中国人自らが養う
第3章 科学教育による国の振興とは何か―人口の文化的資質の向上に重きを置く改革
第4章 正真正銘の「機会と挑戦の併存」―生産年齢人口の「二律背反」
第5章 「高齢化の波」の衝撃―人口高齢化と経済発展の「タイムラグ」
第6章 誰がまだ農村に残るのか―人口都市化の焦点透視
第7章 中西部開発―人口分布アンバランスの懸念
第8章 有限と無限の比較―人口と資源の持続可能な発展
第9章 「緑の通路」の選択―人口と環境の持続可能な発展
第10章 なかに身を置くことと圏外に身を置くこと―人口と社会の持続可能な発展
エピローグ 困難からの脱出と希望の実現―市場経済体制下の人口問題