ある言語天才の頭脳―言語学習と心のモジュール性

ある言語天才の頭脳―言語学習と心のモジュール性

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  • サイズ A5判/ページ数 309p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784788506756
  • NDC分類 801.04
  • Cコード C1011

出版社内容情報

 重い知的障害があって日常生活に不自由しながらもクリストファーは言語の驚くべき天才で、二十カ国語を読み、書き、訳し、話すことができます。なぜこんなことが起こりうるのか。かれが示す重い知的障害と非凡な言語能力との極端なズレはどこからくるのか。本書は四年にわたるクリストファーの集中的な研究によってこの問いを詳細に追求し、そこから人間一般の脳のしくみと働き、言語と思考の本質について多くの新たな理解と論証を提示します。言語学、心理学、脳科学の研究者に強い衝撃を与えた話題作、記述は明快で、専門家から学生までの広い読者が「心」の探求を楽しむことができるでしょう。

 クリストファーは20もの言語を使うことができる天才である。彼は動詞の活用やある種の文法の習得に驚異的な力を発揮する。しかし話者の意図を理解することにおいては、それらの言語の母語話者と同じではない。彼は母語である英語においてさえ発話に含まれる話者の意図が理解できないことがある。文や単語の意味は分かるのだが、皮肉やジョークなどは理解できない。
 彼が驚異的な力を発揮する能力の範囲は、普通の人が言葉の理解に使う能力の範囲と比較するとかなり限られているのである。見方を変えれば、普通の人が言葉を使用する能力は、動詞の活用などクリストファが驚異的な力を発揮する能力と、ジョークの理解などクリストファーがうまく使うことができない能力の二つに分けることができると言える。(「はじめに」より)

 ・「出版ニュース」 99.6下
 ・「言語」 99.9月号 小林春美氏評
 ・「英語教育」 99.9月 志水俊広氏評

内容説明

重い知的障害をもちながら20ヵ国語を読み、書き、話すクリストファの謎、その知的障害と非凡な言語能力との極端なズレをどう理解するか。彼は、人間一般の脳のしくみと働き、言語と思考の関係について何を語るか。

目次

1章 言語と知能(クリストファの紹介;理論的背景 ほか)
2章 第一言語(統語;意味論 ほか)
3章 「第二」言語(背景情報;語彙 ほか)
4章 新言語(原理説明;統制された入力:ベルベル語 ほか)
5章 言語と精神(クリストファの翻訳;1つの精神モデル ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キーちゃん

0
エプン語に興味があったので読んだ。が、難しかった。読み物ではなく、論文を本にした感じ。まえがきの参考書籍にもある「言語を生みだす本能」を読んでから挑んでなんとか読めるレベルだと思いました。興味があって理解できると面白いのだと思います。2012/05/10

栗山 陸

0
不可能言語エプン語。2011/05/16

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