内容説明
「住宅私有の欲望が二十世紀の資本主義の原動力だった」「住宅は女性による家庭支配のための機械である」など、建築と住宅をめぐるわれわれの欲望を鮮かに読み解く。
目次
1 二十世紀という欲望
2 住宅という欲望
3 歴史という欲望
4 建築家という欲望
都市という欲望
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nbhd
14
思考の抽象化具合が気持ち良すぎて、書きとめておきたいことが山ほどあるけど、そんなのもう無理だとあきらめた。隈さんの本2冊めにして、もう全部読まないと気が済まなくなっている。「建築的欲望の終焉について考えれば考えるほど、僕は建築について否定的にならざるをえなかった」。90年代初頭の本。建築が疲弊したさまを皮肉たっぷりに綴っているのだけど、その大言壮語の矛先がまんま自身にも向かっている緊張感。これがもうたまらない。隈さんが20世紀から21世紀にかけて、何を考えて、何を建てたのか、ちゃんと勉強しようと思った。 2017/05/01
引用
2
隈研吾で一番面白い、やはり磯崎を猛烈に意識した仕事の組み立てをしていること、そして今まで全く一貫した思想のもとに建築を作っていることがわかる。しかしなによりも恐ろしいのは書き散らした原稿のほぼ全てを改題、編集して一冊にまとめているという事実にある。2021/12/20