出版社内容情報
男性性の危機の時代に男たちの未来にはどのような選択があるか? 近年のフェミニズム潮流のなかで〈男らしさ〉は抑圧する性として指弾されてきた。近代社会がつくり出した〈男らしさ〉の神話を解体して,〈男らしさ〉の鎧から男たちを解放する。
・「薔薇族」94.1月
・「産経新聞」93.10.7 小浜逸郎氏評
・「出版ニュース」93.11下
・「現代社会の男たちの自画像を描く理論的試み」(週刊読書人 93.11.5 中河伸俊氏評)
・「開かれたメンズ・リブを提言」(朝日新聞 93.10.24 中島梓氏評)
内容説明
近年のフェミニズム潮流のなかで、〈男らしさ〉は抑圧する性として指弾されてきた。本書は、〈男らしさ〉の神話の起源を尋ね、その神話の解剖をとおして、〈男らしさ〉の鎧からの解放を説く。
目次
1 〈男らしさ〉の戦後社会史
2 〈男らしさ〉の現在―男たちはどこへ向かえばいいのか
3 〈男らしさ〉と近・現代社会
4 〈男らしさ〉の革命と挫折―イタリア・ファシズムにおける性と政治
5 〈男らしさ〉の重荷―チェーザレ・パヴェーゼの生と死
6 男の性もまたひとつではない
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イボンヌ
8
男らしさの形成から崩壊しつつある現代まで。トランプ氏や金正恩氏や麻生太郎氏に捧げたい。1993年に出版された本ですが、令和の日本を予言する様な内容正確な2019/10/27
すずめ
1
〈男らしさ〉について、各地域での歴史的展開、女性性との関連、将来への展望がコンパクトにまとめられている。男性が抱えるジェンダー問題を探るための貴重な本。2013/03/08
レイ
0
自覚のないままに、ひどい焦燥感と疲労感に悩まされている読者にも自分のかかえこんできた性と向かいあうことを問う書。 第一章は、身近なモデルを通してこの問題を考えられる入門編的な読みやすさ。個人的にはズバズバ分析していく3章が好きです。4章終盤では、広げまくったこのテーマをうまく纏め、ロールモデルを求める読者へ著者の一つの答えを提示しています(やさしい) 余談ですが、著者は自分の問題と社会問題とをうまく切り離して考えているなと思いました、客観的な視点から問題解決の糸口を探る、著者の冷静で鋭い観察眼に脱帽。2024/12/13
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