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出版社内容情報
書物をめぐる歴史は単なる「テクスト」の歴史ではなく,「モノ」としての形態と人々の「読み方」の変遷の中にある。アナール派の俊英が,フランス革命と書物の関係等の考察を通して,この三つの視点を統合する新しい文化史の構想を明快に語る。
内容説明
アンシァン・レジームの社会において、印刷文書の拡大しつづける流通がいかに新しい思想を可能にしたか―。テクストそのものよりむしろ人びとの読書行為の変容に着眼する切り口からこのテーマにアプローチし、新しい文化史の構想を明快に説く。
目次
1 文化史の方法と課題―表象・プラチック・領有
2 書くこと・書物・読むこと―3つの歴史とひとつの未来
3 読書行為と書物市場―フランス革命の文化的起源によせて
4 「文化的プラチックと表象」をめぐる歴史家の仕事―ふたつのインタヴュー
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あなた
5
問題はテクストが「どう読めるか」ではなく「どう読まれているか」という「場」の問題なのである。たとえば宮沢賢治ほど受容のされ方が千千にみだれるテクストもないのではないか。ある人はロマンチックに、ある人はスピリチュアルに、ある人は童話てして、ある人はファンタジーとして、ある人は環境保護として、ある人は自己犠牲として、ある人はエイズ文学として。読み手のジェンダー、階層、人種、ナショナリティ、エスニシティ、セクシュアリティ、信仰。そういった差異がテクストを微分化していくのである。2010/07/25
Ecriture
5
16~18世紀フランスの印刷・出版事情、読者層などから読書行為の分析へと至る。解釈共同体という言葉は危険で、ルーマンのメディア論を再度確認しなきゃなと思った。きっとシャルティエもウィーバーモデルとの付き合い方は整理しきれてないから。それでもけっこういい本だこれ。2009/08/08
rien
2
ひところ流行った読者・読書論。その旗手、アナール学派の歴史家シャルチエの理論が、ご本人の口からわかりやすく語られている。彼の本も一頃ずいぶんと翻訳されたが、「領有」「プラティック」「表象」といった鍵概念を理解するまでは議論がなかなかすっきり頭に入って来なかった。ドイツ系の受容理論とはまたひと味ちがうフランス系の方法論に関心のある向きには格好に入り口になる本かと思います。 2012/05/29
むらた
2
なかなかためになった。2009/07/10
あだこ
1
シャルチエの論考集。訳者による寄せ集めであるため初出がすべてわかりません。最後のふたつのインタヴューもアナール学派もしくはシャルチエ入門といった感じです。2010/02/16