出版社内容情報
男のシンデレラ物語はなぜ消えていったのか。性や暴力に関わる話はどのように書きかえられたか。グリム童話の成立過程をつぶさに検証し,民衆の過酷な現実とも対照しながら,グリム兄弟が意識的無意識的に隠蔽しようとした民話の強靱な生命力を復元。
多くのおとなたちにとって、グリム童話の無削除版を一読することは驚くべき経験となるはずだ。たとえ彼らが、白雪姫が継母に殺されかかり、灰かぶりの義姉たちがハトに目を突っつき出され、いばら姫の求婚者たちが城のまわりのいばらの生け垣で血を流して死に、ルンペンシュティルヒェンが怒り狂ってみずからのからだをまっぷたつに引き裂いてしまう、といったことをすでに知っていたにしても、寝床に入る前の子どもたちに読んで聞かせるこうした物語のいたるところに、殺人や、手足の切断、カニバリズム、嬰児殺し、近親相関などのなまなましい描写があるのを目にして面喰らってしまうだろう。(「子どものための文学?」より)
内容説明
男のシンデレラはなぜ消えていったか。性や暴力に関わる話はどのように書きかえられたか。グリム童話の成立過程をつぶさに検証し、さらに民衆の苛酷な現実とも対照しながら、グリム兄弟が意識的・無意識的に隠蔽しようとした民話の強靱な生命力を復元する。
目次
第1部 子どものための文学?(性と暴力 おとぎの話の核心;事実と空想 おとぎ話の読み方;つらい目に会う者と探しにいく者 おとぎ話における家族小説)
第2部 主人公たち(未熟者 主人公の男たち;糸紡ぎの物語 主人公の女たち)
第3部 悪者たち(ガミガミ女から魔女まで 継母とその他の人食い鬼;ケモノを手なずける 青ひげとその他の化け物)
感想・レビュー
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