内容説明
今日の文学状況は、リアリズム文学の深化発展による自己崩壊に起因し、新しい文学の方法・文体は、相互に対立矛盾するものの関係そのものの表現へ、存在から作用へ、客観から主観へ、ヒューマニズムから反ヒューマニズムへと、ニヒリズム文学将来の理論的根拠を示す。
目次
現代文学への出発
「矛盾律」文体の発想
現象学的記述と文学
エンマ・ボヴァリイからヨーゼフ・Kへ
「散文芸術」の場
「人間」から「世界」へむかって
カフカ『審判』試論
サルトル『嘔吐』試論
サルトル『自由への道』試論
仮構の成立・中村光夫論序説〔ほか〕