絵本 桜の森の満開の下

絵本 桜の森の満開の下

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  • 商品コード 9784788370227
  • NDC分類 913.6

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tera。

28
文庫で読んだ坂口安吾が絵本になったと知り、表紙が気になって読んでみた。なぜ桜の花の下には人の姿があるのか、坂口安吾によると、どうやらそれは美しい花を愛でるためではないらしい。その発送が興味深く、さらにそこから広がる話の突拍子もない内容に引き込まれる。怖いけど美しく、美しいけど恐ろしい。解説にあるように、この作品を映像化や舞台化によって、この怖さを表現するのはとても困難だと思うので、文字を追って自分の中で想像するのがいいのではないだろうか。 2014/06/21

みい坊

24
何度か読み返しました。シンシンと怖さが染み込んできます。そして難解な物語だとも思います。生首遊び、サロメを思い出したりしましたが、こっちの方が何倍も怖い。絵本なので、一緒に進行する絵がまた不思議な感じ。物語と関係が有るような無いような絵なのに妙な力強さを感じます。桜は本当に特別な花。咲けば心が平静でいられなくなるし、満開の桜のトンネルを夕方通るとこのまま異世界へ抜けてしまうようなうっすらとした怖さも感じます。桜の美しさ怖さが脳内に拡がる読書でした。2015/05/10

ぷく

17
名前のない男、女。桜には『鈴鹿の森の』という具体。男が見つけた、心を解き放つことによって己の内面に向かう道筋。そしてその先にあるのは無限の孤独。次の年も誰に教えられる訳でもなく、その姿を惜しみなく見せつける桜あり、満開の桜の下で儚い一生を終えるひとあり。桜が咲くと何かを成し遂げねばならないよう気がして妙に落ち着かない。その何かを探す時間が苦痛で、私は桜が散り始めるとほっとする。喜び勇んで道路にだらしなく降り積もった桜の花びらを容赦なく蹴散らす。狂気を宿した季節がようやく逝くのをしかと確かめるために。 2023/04/22

にしぞのだいすき

2
学生時代読んでいた漫画『彼氏彼女の事情』の登場人物である真帆さんが、満開の桜を見て「坂口安吾の小説みたい」と言ったのが忘れられず。今になって読みました。本作には関係ないですが、真帆さんは生まれも良く聡く、真帆さんの彼は歳上のズル賢い(大人らしい)人で、今でも羨望の対象です。好きでも嫌いでもないけど。そんな彼女はどんな作品を読むんだろうという、ン年来の心の引っ掛かりが取れました。 坂口氏は桜を見てあんな風に感じてたんだな。小並感ってやつですね。2013/02/11

圓子

2
青空文庫にて。初坂口安吾。桜の下には死体が埋ってる、という話なんだと思っていた。芥川っぽいところもあって、好ましい作品だった。なにがおそろしいのか言葉にできない悲しみとざわつく心。 くらくらする、フランス映画のよう。そして安吾はフランス文学を学んでいたのだね。2011/10/23

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