内容説明
戦後初期に名古屋市にあった幼稚園・保育所の現場で活動していた人たちにまずアプローチし、その人たちの生の証言と現存する当時の史・資料を基に、保育内容・方法という面での保育の実際を明らかにしようとした。名古屋という地方都市の幼稚園・保育所の戦後史がどうであったかという事実を保育内容・方法という視点から再整理することによって、戦後日本の保育の歩んできた道に学べることは何であろうかということを考え直すための研究とすることを目的とした。名古屋市という地方における保育史の探求過程において、同時に、日本の保育の動向を常に視野に入れながら具体としての名古屋市の幼稚園と保育所の両方を対象として調べた。戦後初期の昭和20年代と30年代のはじめまでの時期に限定して、当時保育に関わった人たちからの証言と現存する資料(保育日誌や写真、作品等)に基づいた実証的な研究である。
目次
序章 前史―名古屋市における保育施設の誕生と発展
第1章 焼け跡の中から―未来を担う子どもたちに保育を
第2章 カリキュラム作り
第3章 昭和20年代の幼稚園・保育所の保育環境と保育条件
第4章 聞き取りによる昭和20年代の幼稚園・保育所の保育の実際
第5章 昭和20年代の幼稚園・保育所の保育記録
第6章 昭和30年代はじめの名古屋市のカリキュラムと6領域の扱い
第7章 昭和30年代はじめの幼稚園・保育所の記録と実際
終章 戦後名古屋市の保育の特徴
著者等紹介
清原みさ子[キヨハラミサコ]
お茶の水女子大学大学院文学研究科修士課程修了。現在、愛知県立大学教授/幼児教育・保育史
豊田和子[トヨダカズコ]
広島大学大学院教育学研究科修士課程修了。現在、高田短期大学教授/幼児教育の方法
原友美[ハラトモミ]
東京学芸大学大学院教育学研究科修士課程修了。現在、愛知県立大学、見晴台学園非常勤講師/音楽教育
井深淳子[イブカジュンコ]
名古屋大学大学院教育学研究科博士課程後期課程単位取得退学。現在、高田短期大学非常勤講師/保育学
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