内容説明
三島由紀夫は多面体の人だ。その様々な顔がすべて仮面であったとしても、それらはいずれも高い完成度を示し、即ち三島は傑出した業績を数多くなした。仮面を被って生きることの意義に自覚的であり続けた三島由紀夫の生涯とは。詩作に興じた少年時代から、戦後、作家としての頂点を極め、壮烈な最期に至るまで。新資料を踏まえた三島評伝。
目次
仮面の誕生
セバスチャンと洗礼者ヨハネ
詩を書く少年
三島由紀夫の誕生
文芸文化を超えて
終末感からの出発
裏返しの自殺
太陽の発見
助走
頂点としての『金閣寺』
白昼の文学
栄光と焦燥
転落
「憂国」という至福
疲労と頽廃
最後の飛翔
阿頼耶識と英霊
「文化防衛論」と『暁の寺』
ジン・ジャンと死
豊饒なる仮面
著者等紹介
井上隆史[イノウエタカシ]
昭和38年横浜市に生まれる。平成1年東京大学文学部卒業。平成5年同大学院博士課程中退。現職は白百合女子大学教授、山中湖文学の森三島由紀夫文学館研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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