目次
第1章 松山時代
第2章 大学予備門・高等中学時代
第3章 帝国大学文科大学時代
第4章 日本新聞社時代
第5章 病臥時代(1)
第6章 病臥時代(2)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
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維新後、華族という特権階級に組み入れられた藩主や公卿と違い、士族は何の特権も与えられなかったらしい。武士の子弟が生きる道を見出すことはたいへん切実な問題だったと思われる。そんな彼らにとって、教養を身につける機会を多く授かったという有利さを活かし、そこにプライドを保ちながら自己の役割を模索するのも一つの道だったようだ。具体的には新しい学校制度の中で、中学、予備門(高等中学)、大学と進む。子規はこのコースを選ぶことにより、「士」魂を開花させていく。子規のユーモア、人間味、言葉の正確さの淵源を辿ることができた。2019/08/11