内容説明
三島由紀夫生誕100年。古典文学を専門とする研究者が結集し、初期から晩年に至る多様な作品の読解に挑む。「これまでの古典」と「これからの古典」の劇的な邂逅!
目次
昭和二〇年代 性と再生(「翼」(昭和二六年五月) 「翼」―“かぐや姫”たちの物語
『夏子の冒険』(昭和二六年八月~一一月) 「夏子の部屋」の扉をたたく―『羊をめぐる冒険』と遭遇する『夏子の冒険』
『禁色』(昭和二六年一月~二八年八月) 戦後小説として『禁色』を読む
『恋の都』 (昭和二八年八月~二九年七月) 『恋の都』における観念的な世界―『豊饒の海』へと続く特質と『浜松中納言物語』への評価)
昭和三〇年代 貴種と倒錯(『沈める滝』(昭和三〇年一月~四月) 流離を“生きる”ものたち―『沈める滝』と古典文学
『金閣寺』(昭和三一年一月~一〇月) 『金閣寺』の源氏柏木物語引用
『近代能楽集』(昭和二九年一月~三七年三月) 『近代能楽集』という不思議―「葵上」「熊野」そして「源氏供養」から)
昭和四〇年代 月と転生(『豊饒の海』(昭和四〇年九月~四六年一月) 『豊饒の海』聡子とかぐや姫たちの応答―天衣=尼衣と記憶
『豊饒の海』第一巻「春の雪」における月の在り方
“禁忌”と物語―三島由紀夫「豊饒の海」からの批評)
著者等紹介
伊藤禎子[イトウテイコ]
1978年7月20日山口県に生まれる。2006年3月学習院大学大学院人文科学研究科日本語日本文学専攻博士後期課程単位修得退学。学位(専攻) 博士(日本語日本文学)。現職 学習院高等科教諭(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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