新典社新書
少年少女のクロニクル―セラムン、テツジン、ウルトラマン

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B40判/ページ数 126p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784787961624
  • NDC分類 778.77
  • Cコード C0295

内容説明

昭和全盛期に生まれ、大人たちに「理解できない子どもたち」というレッテルを貼られた「新人類」の少年少女たちは、自らを『機動戦士ガンダム』に登場する特殊能力者「ニュータイプ」になぞらえた。彼らが生まれて半世紀、今やコミックやアニメは研究世界での市民権を得るに至った。その歩みを、魔法少女、ロボツト、変身ヒーローというキャラを通してふりかえる。

目次

1 美少女―一九九二年、お父さんは魔法少女に萌えた(あの子は魔女っ子―魔法少女の定義;魔法少女の系譜―マレビトの死;『美少女戦士セーラームーン』の作品構造)
2 美少年―一九八〇年、お姉さんが少年を愛し始めた(魔法少女から魔法先生へ;ショタの発生;ショタの定着;正太郎クンの文学史;マゼモノ文化)
3 変身―一九七〇年、少年は変身を覚えた(異装と異形;日本変身場面志;変身の変容;古典芸能の末裔)

著者等紹介

志水義夫[シミズヨシオ]
1962年4月13日東京都に生まれる。1986年3月東海大学文学部北欧文学科卒業。1991年3月東海大学大学院文学研究科日本文学専攻博士課程後期単位取得退学。学位:博士(文学)。現職:東海大学文学部日本文学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いちろく

15
某大学の講義に使われている本と知り手にとった1冊。主人公達がピンチに陥った時、助っ人的存在が颯爽と現れ救った後、ドドメを指す。アニメの王道パターンの一つが、元禄時代の頃から歌舞伎十八番「暫」の中で演じられていたと知り驚きました。鉄人28号の金田正太郎君説が有力な「ショタ」の語源を追う内容も中々楽しめました。ただし、内容の主要部分が魔法少女の系譜を主軸としているため、セラムンや、ドレミ、プリキュア等、名前程度しか知らない私には「わけがわからないよ」と感じた部分も少なく無いです。2015/05/08

歩月るな

9
2013年の本だが内容は2005年から06年にかけての講義の抄録、『ヤマト』が『ハイジ』の裏番組で視聴率取れなかった下りとか当時のテレビっ子もなかなか贅沢なものなのである。大人と子供、男女のすみわけ、赤い服を着た男の子が「女の色の服着てる」と馬鹿にされる時代もあったわけですよ。放送年表的なものもあると良かったかも。当時の事を言うと『カードキャプターさくら』より『コレクターユイ』派だった自分は多分少数派なのかもしれない、がその後にやはり『さくら』に悪影響を受けてしまったのは確かか。妙な懐かしさを感じる次第。2017/10/01

NICK

5
60年代から今に至るまで連綿と続く魔法少女やショタといったジャンルを俯瞰する小冊子。関心を持ったのが魔法少女モノをマレビト譚と接続するあたり。『魔法使いサリー』といった魔法少女(魔女っ子)黎明期においては異界からの来訪者が何らかの力によって共同体に幸福を与えていくというマレビト譚の構造がストーリーに見受けられるが、70年代になると『ミンキーモモ』のように「魔法」が社会に対する有効性を失っていく。そして80年代以降はいわゆる戦闘美少女が登場。「みんなを守りたい」という母性の獲得が戦闘美少女を産んだという2013/07/23

in medio tutissimus ibis.

3
論考それ自体も面白かったけれども、その合間合間から時折顔を出す著者の素の叫びが楽しそうで楽しんで抗議している感じが良かった。魔法少女は①異界からの来訪者で②超常の力と③アイテムと④小動物を具えている。しかし棲み分けから同棲型への共同体の構造変化に伴い、心情=日常が魔法=異界の力を物語の中で圧倒しつつある。また、構造変化に伴い異ジャンルの「お約束」を移植する流れが起き、ショタコンもその文脈で発生した。魔法少女もすなる変身(+名乗り+口上)も記紀の時代から連綿と歌舞伎等を経て現代に蘇った日本の神の文法である。2017/09/17

1
魔法少女系についての知識はないけれど、社会学的に興味深い要素が詰まっていることは感じられた。タイトルに入っている割にはウルトラ成分少なめかな?▼最近の男子向け特撮ヒーローはショタコンより「腐女子」への目配せが多い気がするので、これも時代の変遷かも。2017/07/09

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/6803300
  • ご注意事項

最近チェックした商品