内容説明
鳥羽院に取り入る狐の化身・玉藻前。零落した色好みの歌人・小野小町。荒乳山で異形の子を生んだ京極御息所。小栗判官を救済する犠牲の恋人・照手姫。類まれな美貌をもち愛欲や宿業に迷いながら、それゆえにこそ彼女たちは観音や菩薩ともなった。中世の女性観・宗教観が生んだ、聖なる四人の女神たち。
目次
1 玉藻前の物語―〓(だ)枳尼天と王権(王権と敵対する変化;〓(だ)枳尼天とは ほか)
2 中世の小町伝承―注釈書の世界から(中世の注釈書に見る小町伝承;女流作家の評価 ほか)
3 中世の京極御息所―荒乳山の女神(京極御息所をめぐる二つの伝承/荒乳山と気比をめぐる伝承 ほか)
4 照手姫伝承―神話的解釈(過剰なる小栗;犠牲・照手姫 ほか)
著者等紹介
濱中修[ハマナカオサム]
1954年大分県生まれ。中央大学大学院修了。専攻、中世物語文学。現職、国士舘大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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