内容説明
日本文学における「涙」の描写は感情表現に欠かせないものとして、古典から近現代まで脈々と受け継がれている。古典の源氏物語、平家物語、奥の細道。近現代では川端康成の「千羽鶴」など、文学作品の「涙」描写に通底する概念をさぐり、さらには「日本の私」のありようにも迫る。グローバル化時代だからこそ知っておきたい、日本文学の美しさ、そして日本人ならではの感性とは。
目次
涙とは何か
涙河の源流から下流へ
清少納言枕草子の涙
禽獣の涙
源氏物語の涙
平家物語と涙
芭蕉の涙
小説と詩と涙
涙と日本の私、日本文化