内容説明
漢文の授業やテストの時に、多くの人がおそるおそる書き込んでいたあの「返り点」。その体系的な知識が、この一冊を読めば自分のものに!漢文がぐっと身近なものになる、画期的な一書。
目次
1 入門篇 返り点に対する心構え(なぜ返り点が必要なのか;いつ返り点が必要か;二つの重要な注意)
2 基礎篇 返り点の組織―符号と機能(レ点の特殊な性質;符号の種類の非論理性;符号の数の非論理性;返り点は足りるのか;返り点を付ける位置)
3 応用篇 返り点の用法―原則と例外措置(小返り―レ点の用法;大返り―一二点・上中下点・甲乙点・天地人点の用法;返り点の同居―複合返り点;再読文字と返り点;例外措置)
4 精選十題
著者等紹介
古田島洋介[コタジマヨウスケ]
1957年8月3日神奈川県横浜市に生まれる。1981年3月東京大学文学部フランス文学科卒業。1989年3月東京大学大学院比較文学比較文化博士課程修了。専攻(学位):日中比較文学・漢文訓読論(文学修士・文学碩士)。現職:明星大学日本文化学部教授・日本文化学部長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひよピパパ
16
漢文で習う返り点のポイントを要領よくまとめた一書。返り点が古人の知恵による産物でありながら、科学的見地を踏まえた万能な代物ではないことを痛感させられる。原則から外れる数々の例外が自分にとってとても新鮮だった。巻末に練習問題が付されていて力試しになる。各例文に出典が書かれてあれば更に良かった。高校国語教員にオススメしたい一書だ。2023/03/01
たかさん
3
記憶がかなり曖昧になる歳になった。昔、漢文の授業で返り点を大返り、小返り、複合返り点、逐次逆行、包含関係など詳しく習ったのかと思い出せない。本書はこのような返り点の打ち方を分かり易く解説してあり漢文に接する機会がほとんどない昨今、読後の充実感があった。自分の能力は残念ながら巻末の演習解答には反映されなかった。司馬遷の史記をもう一度読み直してみようと意欲がわいてきた。2015/10/25
dobrydenkrtek
2
思ったよりもすぐに読めた。基本知識を固めつつ、あいまいだった点がかなり明瞭に整理されてよい本だと思う。最後の練習問題もなかなかよい。普段あまりお目にかからない返り点まで視野に入れているので、この本をきっちりやれば返り点については自信がつくとは思う。が、きっちりやり切るのも結構大変かな。でもいわゆる受験漢文の本では得られない知識が得られるのはとてもよい。また受験漢文に比べて極端にレベルが高いという訳でもないから漢文をかじったことのある人ならついていけると思う。2018/04/29
りやう
2
正しいレ点の打つ位置(左下に打つのではなく左上に打つそうだ)が発見でした。2016/11/12
take
2
僕が本書を手に取った理由が「あとがき」に端的に書かれていた。「全体としてどのような体系になっているのか、いったい何が原則で何が例外なのか、教える側の教員でさえはっきり理解していないのが実情だろうと思われます」。 欲しい情報が乗っていて大変勉強になった。2016/10/15
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