内容説明
芭蕉・西鶴・近松・蕪村・上田秋成・平賀源内など、江戸時代の文学者たちが残したさまざまな「悪口」を通して、彼らの知られざる人間くささや作品の魅力にせまる、まったく新しいタイプの江戸文学入門。
目次
人格者芭蕉の“悪口”
芭蕉を本気にさせた西鶴
流行作家西鶴への“悪口”
言葉にも演技をさせる近松
死を前にした自分への“悪口”
忠義なき武士への“悪口”
〈悪口〉の大家上田秋成
エトランゼ蕪村の“悪口”
認められない才能の吐く“悪口”
江戸のコミックにおける“悪口”〔ほか〕
著者等紹介
井上泰至[イノウエヤスシ]
1961年、京都市生まれ。上智大学文学部国文学科卒。同大学院文学研究科国文学専攻博士後期課程単位取得満期退学。現在、防衛大学校人間文化学科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
冬見
18
章立てが細かく、専門書というよりもエッセイに近いので読みやすい。秋成がやや調子に乗った論敵・宣長にあてこすって作った句が面白かった。悪口俳句・悪口狂歌を集めた本とかないかな。2016/11/23
れどれ
0
残念ながら全く面白くなかった。悪口という魅力的な、深みある、人を惹きつける鉱脈を足蹴にして、江戸文学(というか文物)について自分のしたい話をしているだけであるし、これはもうエッセイだからと差し引いても尚面白くなかった。まえがきに、これをきっかけに江戸文学に興味もたれれば「望外の喜び」との一言が置かれているが、それが望外どころか本望なのでしょうと勘ぐりたくなる。筆者の人格が信頼できない。外見からは中身を推せないつくりにした出版社のせいかもしれないけれど、ともかくこの本には二度と触れたくもない。2017/01/03
蕃茄(バンカ)
0
近松の辞世文が格好いい。自分の人生何もものにならなかったかもしれないが俺の作品はずっと残るぜ下絵になるぜという自虐しながらの誇り2013/07/21
禿頭王
0
☆1。悪口という切り口に惹かれたが、江戸時代の作品やその作者に関する記述が少なく、紹介される悪口の何が人間的・作品的に面白いのかが、いまいち伝わらなかった。内容がタイトル負けしてしまっている感じ。残念。2019/12/29